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〜翌朝〜

「行ってきま〜す」

母に挨拶をするとやはり外には向陽がいた。今日はいつもより少し早いから徒歩での通学だ。

「コウくんおはよ」

「おはよう奏。今日はちゃんと起きれたんだな」

そう言うと偉いぞと言って頭をポンポンとしてきた。

「もういつまでも子供扱いしないでよ〜」

「ハハッ、奏は昔から全然変わらないからな」

そう言って笑顔を向けてきた。

「そう言えばコウくんに聞きたいことがあったんだけど?」

早速昨日気になった質問をしてみることにした。

「ん?なに?」

「コウくんって恋人いないの?」

そう言うとコウくんは一瞬固まった。

「……。奏ちゃんお熱でも出たのかなぁ?」

そう言うとおでこに手を伸ばしてきたので、振り払う。

「ないよ。昨日ちょっと疑問に思っただけだもん。コウくん優しいし、頭いいしモテそうだなぁって。だから恋人いるんじゃないかと思って、だから毎朝私と学校に通ってると勘違いされちゃうんじゃないかと思って……。」

「なんだそんなことか……」

コウくんは微笑みながら続けた。

「俺は奏の子守で手一杯だからいいの」

「……ちょっと私の子守りってなによ。私はもう高校生だよ。それに1個しか変わらないコウくんに言われたくないんだけど」

「ハハハ、そう言うところでムキになるのが子供だよ」

うっ……。正論すぎて言い返せない。

「まぁまぁ子守りってのは冗談だよ。俺受験生だし今は恋愛する余裕ないだけ」

「ふ……ふーん。受験生ってやっぱり大変なんだね」

「まぁそれでも恋人いる奴はいるけどな。俺器用じゃないからな。奏も来年受験生だろ。すぐにわかるよ」

「そっかぁ……。あっちなみに好きな人がいたことはあるの?」

恋人はいないと言っても恋愛くらいした事があるだろうと質問を変えてみた。

「また急だな」

「ごめんごめん。私恋したことないから、どんな感じなのか気になっただけ」

コウくんは前を向いたまま少し声のトーンを落として言った。

「いるよ。好きなやつ」

「えっ!!いるの!!!???」

「あぁ」

「男の人って恋するとどんな感じ??友達と恋バナとかするの??」

「うーんそうだなぁ〜」

顎に手を添えて考える。

私は携帯でメモ帳を開き回答を待つ。

しばらく考え込んでいた向陽は私の方を向くとこう答えた。

「俺は特に何も変わらないかなぁ〜」

「えぇ〜」

非難の声をあげるもこの話はおしまいと言ってそれ以上のことは教えてくれなかった。


その日の昼にちかに向陽の話をした。

「あぁまぁ向陽先輩も大変だよね。あのルックスだし優しいからだいぶモテるだろうね」

「やっぱりモテるかぁ〜」

「当たり前でしょ。かなは小さい頃から一緒にいるから感覚狂っちゃったんだろうね。身長も高くて、優しくてあの見た目。裏でファンクラブがあるって噂だよ」

「えっファンクラブがあるの!?」

「うん。まぁでも過激な感じじゃないみたいだよ」

「そうなんだ〜」

「よし、じゃあこの話は終わりね。昼休みが終わる前に昨日の復習用の問題だすよ」

「はーい」

私たちは話をやめてテスト勉強を始めた。

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