8回目15

らん○二分の一みたく、女の子に変身したわけではなく、正真正銘の女の子。




 日本でも、男として取り上げられており、格好や言動も男だったのですっかり騙された。




 そういえばと思い返す。




 一回目の時、二階堂を見る視線が女の子だったような・・・・・・。




「おい豚屑愚民。俺様の高貴な裸を見るなんて万死に値するぞ」




「ごめんなさいだ。まさか女の子だったなんて知らなかっただ」




 かぁーと音がしたような気がする。




 それからマッハ蹴りが俺の頭に降り注ぎ、それが三十秒ほど続き、その後京夜は俺の頭を鷲掴みにする。




「至急、その記憶は消去しろ、いいな、必ずだ、死にたくなければな」




「声かわいかっただ」




 どうやら酒が残っているようだ。普段言わないことを言ってしまう。例え致命的な事だったとしても。酒の力は怖いと黄昏気味に考える。




 上から反応がない。




 俺は徐々に目線をあげていく。




 足は揺れるほどぶるぶると震えていた。




 横を見ると拳を強く握っていた。




 さらに目線をあげると、そこには赤鬼がいた。




 あっ、生命の危機が。




「ホント、腐れ豚野郎、百回死んで、顔洗って出直してきやがれ」




 京夜のハンマーもかくやに強く握られた拳が振り下ろされ、




「ぐはっ」




 再度俺は意識を失った。
















































 知らない天井だ。




 嘘です、すいません。一回言ってみたかっただけです。




 サヤの家のゲストルームの一つ。そこのベットに縛り付けられていた。




 どうやら、九回目にならなかったみたいだ。




 頭がずきずきと痛む。てっぺんがぽこんと膨らんでいる感覚がある。




 完全に酔いが醒め、後悔する。あれはないなと。




 JTの裸を見て、謝らず、滅茶苦茶なことを言ってしまった。




 酔っぱらいほど話が通じない。




 まさか自分がそうなってしまうとわ思わなかった。




 俺も年をとったものだ。センチな気分で、入ってきた人物から現実逃避する。




 その人物は表面上はにこにことしていた。怖いぐらいに。見ないようにしていたのは、持っている物。




 バケツとその中にノコギリ、包丁、ペンチ、ノミ、枝切りばさみ・・・・・・ビ○ターさんも真っ青だ。




 拷問器具のオンパレード。気分はハンニ○ルの世界。




 日付を思い出す。今日は十三日の金曜日じゃなかった。




 一体何時からホラー小説にジャンルが変わったのだろうか。




「おっおっおらを、こっ殺すきだか」




 声は震え、少しちびってしまった。




 ホラーは苦手だ。友達と見た時は夜寝れなくなり、寝るときも電気はつけっぱなしだ。




「おう、今から楽しい楽しい拷問ショーだ。のこぎりで手足をきり落とすか、それとも包丁か、ペンチで指を潰すのも捨てがたい。のみで爪をはぐか、あんな卑猥なことを言えないよう、あそこを枝切りでちょんぎるか、楽しいな豚」




 京夜は残虐的笑みで、枝切りばさみを手に持ちチョキチョキしている。




「ごっごめんだ。ゆっ許してくれだ。よっ酔っぱらっていて、わっ悪気はなかっただ」




「はぁ、なに言ってんだこの豚マンジェロ。謝罪ですむなら警察はいらねーんだよこのぼけが」




 史香も怖いと思っていたが、輪をかけて京夜は怖い。




 というか『きょうや』じゃなくて『きょうよ』ちゃんか。聞きたいが、怖くて聞けない。




 怖すぎて思考が馬鹿になっている。




 今はまだ2アウトだが、致命的なことを口走ったら3アウト退場だ。




 殺すことはルール違反だが、拷問することはルールにない。つまり、爪を剥いだり、あそこをちょんぎることはオッケーだ。




「なっなんでもするから許してくれだ」




 みっともなく泣け叫び、許しをこう。




 あそこが無くなってたら女の子になってしまう。一回も使ってないのに、そんなことになるとほんと死んでしまう。




「なら、お前が知ってること全部はけ」




 躊躇することなく、つつみ隠さず全部話し始めた。




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