8回目10
「みょほ、みょほほのほ~、これがステータスってやつですかー」
英雄ギルドに行った俺達は、コルナさんに野子を紹介した。
そして、野子のステータスはこれだ。
名前:平木 野子
種族:人間
職業:異世界からやってきたイリュージョニスト
称号:至高の奇術師
レベル:1
ステータス
筋力;1
敏捷:1
体力:1
知力:1
魅力:38
生存人数;42/50
貢献度;1(39位)
スキル
初級トリック術(熟練度100)
中級トリック術(熟練度100)
上級トリック術(熟練度90)
最上級トリック術(熟練度65)
マスタートリック術(熟練度27)
固有スキル
???
不公平すぎる。主人公なのに、この物語の主役なのになんたる理不尽さ。涙がちょちょぎれそうだ。
コルナも驚きのあまり絶句する。
魅力が高いのは解せない。野子より俺の方が絶対社会性があって、多少は人の話も聞ける。顔か顔なのか。それを聞きたい訳じゃない。さいですか。
居酒屋で混んでいた時間なのか人数はかなり多い。
そしてスキルのチートっぷり。いっそ清々しい。主人公を変わってあげたい。
俺みたいに初回はスキル欄が空白なのが普通だ。
あずさや史香はもしかしたら最初からあったかもしれないが、それでも野子には遠く及ばない。
スキルは初級、中級と上がっていき、最高位はマスターだ。それを最初から持っている異常っぷり。
惚れてまうやろ。恋愛的意味じゃないが。
これが、野子が直ぐに次の町に行けるといった根拠だ。
俺も高校時代何度も見せてもらったがさっぱりだ。種も仕掛けもあるのに分からない。
野子の事はテレビや雑誌で幾度となく見た。
そこにはこう肩書きがある。
『世界最高のマジシャン』と。
「キャーキャー、エッチスケッチワンタッチ、なに見てるんですかブッコロリー先輩。先輩のも見せてくださいヨン様。だいじょうブイですよ。どんなステータスでも笑ったりしませんからー」
野子の後で、俺のステータスを見せるのははずいが、見せないとコルナの前であることないこと言いそうなので、仕方なく見せることにした。
尊厳を守りたいのだよ。なけなししかないプライドだが、コルナに軽蔑の視線を向けられるのだけは避けたい。
それだけ俺の黒歴史を野子は握っている。
名前:ブータン
種族:人科
職業:英雄ギルド受付兼何でも屋
称号:何でもできる豚王
レベル:1
ステータス
筋力:8
敏捷:2
体力:7
知力:25
魅力:1
生存人数:12/20
貢献度:68(12位)
スキル
初級土魔法(熟練度100)
中級土魔法(熟練度86)
上級土魔法(熟練度38)
初級建築(熟練度100)
中級建築(熟練度98)
上級建築(熟練度52)
初級料理(熟練度83)
中級料理(熟練度29)
初級付与術(熟練度46)
初級鍛冶(熟練度38)
世界「ティル」の知識(レベル5)
世界「アイラ」の知識(レベル4)
世界「オラク」の知識(レベル1)
世界「ヘブンデール」の知識(レベル1)
世界「アルカナ」の知識(レベル6)
クリア率
ティル(8%)
アイラ(2%)
オラク(2%)
ヘブンテール(1%)
アルカナ(1%)
???
???
固有スキル
???
まず新しく入ったものを中心に紹介しよう。称号はスルーだ。
俺も野子と同じように格好いい調合が欲しいよ畜生。なんだよ豚王って、カップラーメンかエア・○アかよ。俺を煮込んでも出汁はとれないぞ。
ステータスは、レベル1の成長限界は25なので知力はカンストした。
敏捷が低いのはご愛敬だ。
スキルは軒並み上がっている。サヤ達が旅に出ている今、色々なことに手を出している。
新しいスキル、初級鍛冶もその一つで、プライパンや鍋の修理なんかも請け負っている。
丁寧な仕事だと主婦の間では評判だ。
そしてクリア率。
魅力が先日ようやく1になった。長かった。苦節十六年、死亡すること八回、初めて魅力がプラス域になった。今までは、死ぬと魅力はリセットされたので、プラスになったから持ち越しになるとシンジたい。無理だろうな~。
全世界の俺が絶望した、魅力が1になってから新しく見れるようになったクリア率。
八%。今いる世界のクリア率で最高値だ。他の世界は焼け石に水。
というか世界は七個あったのはおじさん知らなかったようんうん。
ん?何の話してたっけ、クリア率の話? 思わず現実逃避してしまうほど絶望的だ。
シュウ○イポーズで絶望的~と、したい気分だった。
一体何百何千回死に戻りすれば全クリできるのか皆目見当もつかない。トル○コもびっくりな数字。
俺はゲームでも完全クリアしなくてもラスボス倒せばいいと思う方だが、それにしても先は果てしなく長い。
知識から先は他の人には見えない。よって野子のステータスの後にみると完全な出落ちだ。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ」
だから言いたくなかったんだ。
案の定野子は笑いながら床を転げ回っている。
「もーもーもう、ブッコロリー先輩改めブータンパイセン、私を笑い殺す気ですか。いつから人間やめたんですか、もーそれなら先に言ってくださいよー。スー○ーサイヤ人ならぬ、スーパー豚人じゃないですかー。ブータンパイセン神話に新たな一ページが刻まれましたね。これはみんなに報告しなければ」
そして、野子は風のように去っていった。
「えっと、個性的な後輩ね」
コルナの問いかけに、俺は苦笑いで返すことしかできなかった。
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