8回目09


 英雄ギルドにいく前に、広場のベンチで野子の事情を聞くことにした。




「何処で巻き込まれたんだな」




「むっむっのむ~、事情聴取って奴ですかぁ~、気分は金○一の犯人ですぅ~、言ってくださいよぉ~『じっちゃんの名にかけて』って~」




 話が進まない。野子と話しててうまく進んだためしはないが。




「この謎は絶対解いてやる。じっちゃんの名にかけて」




 言わないとほんとに話が進まないので、かなり恥ずかしいが、○田一になった気分で言った。




「うわっ、うわわのわ、はずすですよブッコロリー先輩、中二病も真っSAOですよ」




 野子は目を手で閉じてキャーキャー言っている。間から見ているのはばればれだが。




 こちらは、やれと言われたからやったんだが。精神的に二年は老け込んだ気分だ。




「仕方ないな~、このノコノコが教えてあげますよ~。犯人じゃないですからね~。あれは第五回『ブッコロリー先輩捜索会議』と言う名の同窓会を居酒屋でしているときでした。参加はノコノコと真祖とガンマンの三人です。『伝説のオレンジ先輩』はいませんでした。と言っても頻繁に三人で会ってるんですけど、気分の問題です。議論は白熱してました。私、ノコノコが『異世界に行った説』、真祖が『宇宙人に浚われた説』、ガンマンが『世界放浪説』です。結果的にノコノコの一人勝ちです~。私さいこっちょ~。ちなみに先輩の部屋にあったエロエロな物を含めて、両親さんが処分したみたいですよ~、死んだ魚の目をしながら」




 真祖とガンマンは高校時代の同好会の他二人の後輩の呼び名で、雪のように白く、アメリカ人で、金髪ヘアーに赤のカラコンをつけている事から『真祖』、極度の銃とサバイバルオタクで、『狙った獲物は外さない』と豪語しているので『ガンマン』となった。




 ちなみに『伝説のオレンジ先輩』は一年間で二回しか姿を現さなかった。○ードギアスに出てくるオレンジに似てるというわけではなく、会ったとき、懐からオレンジを出すことから、オレンジ先輩になった。




 それにしてもはずい。何かってそりゃ、俺の部屋に親が来た事だ。




 八回目の真実。




 少しは気になってたんだ。俺が居なくなったら部屋はどうなるんだろうかと。




 処分してくれる優しい知り合いも居ないし、やっぱり親に連絡いったんだ。




 身悶えしそうなほど恥ずかしい案件だが、後輩がいるためぐっと我慢する。




「すると突然、ぱっと光ったと思ったら、ここに来たわけですよぉー」




 両手を広げてアピールする野子。大体分かった。つまり俺と同じパターンだ。他のパターンがあるかどうか分からないが。




 しかしと俺は思う。




 一回目、俺は野子を見ていない。ほとんど引きこもっていたので、どこか他の場所に行ったか、ここに来てないのか分からない。少なくても俺が見た中には居なかった。




 サヤの話だとハードモードの世界に二階堂はいないと言っていた。だから、イージーだけのお助けキャラなんだと俺は思う。




 他の世界で二年間生きたことがないので分からないが。




 野子はおもしろい物好きだ。ここは野子には退屈すぎる。




 考えた結論から早々に次の町に行ったのだろう。




 普通の人なら無謀と思うが、野子なら大丈夫だと納得する。




 だって彼女達は、チートだから。








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