8回目02
早いもので一年が経過した。
速すぎるなおいっ! とかは言わないお約束だ。
今回のサラの家は、強いて言うならヴァージョン3だ。
色々と成長しているのですよ。うんうん。
まず階数を地上三階、地下二階にし、その分スペースをせまめた。空いたスペースで、一部屋に風呂やトイレを置いた細長い平屋も造った。何とかあずさの許しをもらい、そこには俺が入る予定だ。宿屋にはもう入りたくなかとです。
サヤの意見も尊重し、今回新たにプールや化粧室、衣装ルーム、何かも作った。
他にもボルダリング、魔法訓練所、温泉なんかも掘り当てて・・・・・・あかん、思い出しただけで倒れそうだ。
どこぞの御殿だよ。貴族よりも豪華だと思うよ、内の家は。
今回も親方達に協力してもらい、完成するまでにはプロ〇ェクトXばりのドラマがあったさ。
俺の一日のスケジュールは、朝起きて、サヤとご飯食べて、英雄ギルドで仕事して、三時頃帰宅して、親方と打ち合わせして、深夜まで家造りに励む。終わった後は本を読んで寝る。睡眠時間三時間。どこぞのブラック企業だよ。
完成した時には、皆号泣しながら抱き合って喜びを分かち合ったさ。
ファルス村の奇跡と言われそうだ。
当然、親方達にはお金は払えないので、当分は助っ人としてただ働きだ。とほほ。
気を取り直して、次にこの世界『フィラ』の事について。
『フィラ』には現在四つの国が存在している。
森に囲まれたこの国『フォレスト』、砂漠に囲まれた『サンドラ』、湖に囲まれた国『ウォタル』、火山に囲まれた国『ファイラ』。
アイラと違う点は『キリシカ』と『ダール』がなく、現在争っている国はなく、国々が良好な関係を気づいている事だ。
さすがイージー、優しい世界だ。
ダールがないから魔族がいないというわけではなく、各地に分散している。
その変わり、『アルカナ』にある幾つかの、上級魔法やスキル、職業、アイテムの作り方は探しても見つからなかったし、誰に聞いても分からないと言われた。親方達も『アイラ』や『オラク』で持っていた知識がなかった。
さすがイージー、上限が低い。
つい先日、ブラッディベアーの討伐に成功したとコルナから言われ、懸念材料が一つ減ったと小踊りした。
コルナからは冷たい目で見られたが。
そして今のステータスがこれだ。
名前:ブータン
種族:人間?
レベル:1
職業:ファルス村『英雄ギルド』受付兼何でも屋
称号:建築王に俺はなる
ステータス
筋力:5
敏捷:1
体力:5
知力:20
魅力:-5
生存人数:13/20
貢献度:50(10位)
スキル
初級土魔法(熟練度90)
中級土魔法(熟練度61)
上級土魔法(熟練度10)
初級建築(熟練度100)
中級建築(熟練度78)
上級建築(熟練度35)
世界「ティル」の知識(レベル3)
世界「アイラ」の知識(レベル3)
世界「オラク」の知識(レベル1)
世界「ヘブンテール」の知識(レベル0)
世界「アルカナ」の知識(レベル6)
まず、新たに上級土魔法を覚えた。何故か知識はあったので、鬼くそ難しかったが何とかここ一年で初歩の初歩には到達した。
遅ればせながら説明すると熟練度は0~100で。
代々が
0~10:入門級
11~30:素人級
31~60:一般級
61~80:ベテラン級
81~99:一流級
100:マスター級
の六つで分けられている。それと同じで、知識系のレベルは最高は10で。
0~1:入門級
2~5:一般級
6~9:一流級
10:マスター級
の四つに分けられている。
これは『アイナ』の本にはなく、『ティル』の本の中に記載されていた。
さすがイージー、痒いところに手が届く。
初級建築がカンストしてしまったが、別に建築王になるつもりはない。親方さん連中からは師匠と崇められたが、これっぽっちもなるつもりはない。
くどいようだが本当だ。
『ひきこもり建築王の英雄談』にタイトルが変わってしまう。
ひとまずおいといて、今日は何の日か。
それは・・・・・・
あずさが地球から来る日だ。
分かっていた? すいまそん。
そして俺は英雄ギルドに向かった。昼過ぎにある重大イベントにどきどきしながら。
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