2回目06
前回後味が悪かった出来事の一つだ。
俺がもうちょっと引き留めていれば二人は犠牲にならずにすんだ。今回こそはあの慘劇を止めたい・・・・・・と、ひ○らし風に思っている。同じリピート仲間として。
少なくても前回のように、なにも話せないまま終わることはないだろう。
「こっコルネさん、ちょっと外に出てきますだ」
「了解、私の分も何か買ってきてね」
昼過ぎだったので、コルネがそんな声とともに送り出してくれた。
第一段階は終了だ。
うろ覚えだったが、前回あった場所まで行く。
おっ、いたぜ。
そこには、不安そうにしている。制服姿のあずさがいた。
ふぅ~緊張してきた。口の中がからからで動悸もしてきた、俺の心臓マックスハートだ。
ひっひっ、ふぅぅぅ。
「あの、すいません」
そんな馬鹿な事をやってるとあっちから声をかけられた。また失敗した。いやまだ間に合う。
「おっ、おらに何か・・・・・・もっもしかしておらと同じところなんだな」
めちゃくちゃなまっとるやないかい。しかし、前回よりも大分進歩した。
あずさも若干明るくなったが、すぐに少し嫌そうな顔になる。心が抉られるな。
「そうなんです。クラスで授業を受けていたら突然、森の中にいて。歩いていたらここに着いて」
「おっおらは一年前ここにきて、とっとりあえず、おっおら達をほっ保護してくれる所に案内するからつっついてきて」
ナンパかキャッチかおいっ。でも話術がない俺の精一杯だった。
あずさはそれはもう物凄く嫌悪感丸出しの表情で、犯罪者を見るような目で見ていた。
うん、可愛いJKに冴えないメタボなおっさんが声をかけるなど、地球なら警察を呼ばれてもおかしくないレベルだ。
「おっおら、先に行くだ」
その視線に耐えきれず。前を歩く。
足音で後ろからついてきてくれると分かるが。たいぶ音が小さく、警戒されているのが分かる。
あっ。そして気づく。そういえばあずさの名前を聞いてないなと。
「ちょっと何も買ってきてないじゃない」
英雄ギルドに着くと、コルナが俺が何も買ってきてないことに文句を言う。
「ごっごめんだ。おっおらと同じ世界の人間に会ったからつれてきただ」
そう弁明する俺。コルナもあずさの姿を見て、接客モードに切り替わる。
俺も、とりあえず、あずさに言いたいことがあったから、コルナの横に立った。
あずさは、コルナを見て、ほっとした様子で、安心して中に入った。地味に傷つくが仕方がない。
「私の名前は、コルナと申します。貴方のような異世界の方を保護する英雄ギルドの受付をやっております。説明は彼から受けましたか」
「いえまだです。私は男性がちょっと苦手ですから」
そう言ってちらりと俺を見る。
察しのいい俺は、事務室に向かった。
それにしても衝撃の事実だ。まさか男嫌いだったとわ。そうじゃなくてもメタボなおっさんに近寄りがたいと思うけど、そうかそうか。十一年越しの真実に俺は少し嬉しくなった。
でもと俺は思う。
どうやってあずさをとめればいーんだぁぁぁ。
コミュ障の俺には男性恐怖症のあずさと話すミッションは超がつくほどハードルが高かった。
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