2024/10/13 「それは宇宙でした」

夏の終わりは一瞬で、それが本当にあったのかわからなくなった。

鈍感は罪で、盲目は罰だ。

そう僕にささやく夜がいた。すぐそこに、耳元にいた。

悲しさなんて微塵もないけど喜びは粉塵もない。空の色は黒いけどその黒の過程なんて誰も知らない。

真っ白なパレットには色鮮やかな絵の具が置かれていく。次から次へと置かれていく。それはどんどん混ざり合っていずれ黒くなる。

一緒に眠りについたはずの夜は目が覚めたらもういなくなっていた。

目を閉じるまではすぐそこにいたのに。絶対にそこにいたのに。

この感情に名前をつけるならなんて名前なんだろう。希望って名前よりは美人局って名前の方が似合う気もする。

瞼の裏にだけ広がった宇宙にも正解はない。

だってそれが赤色だって決めつけたのは僕じゃない誰か別の人。

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