第134話

桜井遥…名前から分かるように女である

そんな彼女は高校3年間女である事を明かさずに卒業した

けど教員を含め同級生のほとんどは気付いていた


そりゃそうだろう

なんたって可愛いんだから

男にしては余りにも可愛すぎる


だがさっきほとんど、と言ったよな?

ほとんどというか若干1名気付かなかった奴がいる


それは黒川、もとい桜井が好意を抱く男である

この様子を見る限り未だにどちらにも気付いていないらしい

桜井…不憫だな


それは置いといて、想定外ではあったがここに元同級生が5人も集まった


黒川「なんか同窓会みたいだな」


普通に普通のやつが抱くような感想

だがその言葉で残りの4人の顔は曇る

言葉を発した黒川もやってしまったという顔になる


理由なんて言うまでもない

同窓会というにはあと3人足りていないのだ

そのうち2人の詳細が全く分かっていない


桜井「そ、それにしても中村さんにはビックリしたよね…」


花村「そうだね…愛ちゃん…」


中村愛菜…俺らと同じように学校生活を共にした仲間、彼女も陰陽免許は持っていたし当然、陰陽師になるものだと皆が思っていた

でも彼女は、自分に戦いは向いてないとあっさりサポート課へ進む事を決めた


どこにいるかも分かっているし、女性陣は連絡を取り合ってたまに遊んだりしているらしい

でもこういう場には呼びにくい、陰陽師ではないこともそうだが彼女の想い人の事を考えると…


黒川「まぁ、でも花村とか桜井はたまに遊んでんだろ?桜井なんて付き合ったりしてんじゃねーの!?」


この男、全くの無自覚である

無自覚でとんでもない爆弾を笑顔でぶん投げてくる


彼にしてみれば沈んだ空気を盛り上げようとしたのだろうが、別の意味で空気が凍り付いてしまった…


桜井「そんな訳ねぇだろ!なぁ?」


これには流石の桜井もおこである

激おこである


黒川「まぁまぁ!そんな怒んなって!冗談だよ」


痴話喧嘩は放っておいて


ここに居ないもう1人…

藤原瑠奈…俺らの代の2番手、そうは言っても真装を使う彼女の実力は陰陽師全体の中で見てもかなり上の方だ

ただただ学年最強だった男が凄すぎたのだ


そんな彼女も勿論陰陽師になると思っていたが、実家から呼び出され戻ったきり連絡が取れなくなった

陰陽師になったという噂もなかった


ただ去年、突如早乙女家の天才と結婚するという噂が流れたが結局噂止まりでその後の情報がない


花村「瑠奈ちゃんも結婚…したのかな?」


この花村という女の子は意外と女性陣の中ではコミュ力が高く、全員と親しかった

すごく意外だが唯一の彼氏持ちというのが大きかったのかもしれない

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