卒業編
第123話
私こと藤原瑠奈は陰陽高校岡山支部の3年になりました
あの「最悪の事件」から早くも半年が経とうとしています
あの後、陰陽会の人が保護してくれて私達3人は避難しました
襲撃犯は「救世の宵闇」という反陰陽師組織の1つで、武本くんを怪異にする薬を渡した組織と同じ組織らしいです
犯行は組織の構成員8人で、怪異になる薬の改良版を服用し襲撃をしてきたそう
あの騒動で生き残った学生は私達3人と早乙女くんの4人だけだった
陰陽会の人や付き添いで来ていた支部校の教員も何人か亡くなったみたいです
襲撃犯は早乙女くんと陰陽会の人で倒したそうです
捕まえようとしたそうですが、捕まった瞬間全員自爆したそうです
自爆…文字通り、陰陽術ではない通常の爆弾で自分の身体ごと爆発させました
あわよくば相手を道連れに、実際には自分の身体の痕跡から薬について研究されるのを阻止する為だろうと陰陽会の人は言っていました
そこまでやるなんて私には考えられません
やらせる方もやる方もどうかしてると思います
死者
約150名
内
学生140名
ここ最近、いや過去の中でも相当多い死者を出してしまったこの事件は「最悪の事件」と呼ばれるようになりました
本当に生き残れたのは奇跡だと思っています
「最悪の事件」も悪い事ばかりではありませんでした
襲撃犯を捕まえたのが早乙女くんと陰陽会の人と言いましたが、実際8人中4人を捕まえたのは早乙女くんだったのです
「最悪の事件」は起こってしまったが、それを鎮圧した最強の陰陽師が誕生した
それを強く印象付ける為に陰陽会は特例を使い、大々的に取り上げる事にしました
早乙女くんは当時、まだ2年だったのにも関わらず卒業認定を受け正式な陰陽師として採用される事になりました
とは言え少ない学生時代を大人の都合で削る訳にもいかず、卒業までは学生のまま学校に通うそうです
ただ授業に出る事を出勤扱いとし給料を払い、何か起きた場合は別途手当を出すというかなり破格の待遇となりました
つまりは金を出すから有事の際には働け、と
彼は本当に強い
現役陰陽師でも彼に勝てる人が何人いるだろうか…?というレベル
彼を安倍晴明の生まれ変わりだという声もよく聞く
実際陰陽会もそういう触れ込みで彼を紹介しようとしたらしいが本人が拒否したらしい
俺は安倍晴明よりも強い!あんなのと同じにして欲しくない、と
どれだけ自信家なんだろうと思ってしまう、けど彼の異様さなら将来的には本当に安倍晴明すら超えてしまうかもしれない
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