第120話

ステルス霊弾の弱点は霊力センサーが使える相手には効果が薄いという事

だがあくまで効果が薄いというだけで、霊力センサーが使えてもセンサーの範囲が狭ければ狭いほど対応は厳しくなる


霊力砲ならその欠点をカバー出来る

霊弾よりも速く、攻撃範囲も広い


自身の攻撃、しかも必殺技の途中に5m地点から急に霊力砲が来て避けられる奴なんてそんなにはいない


予想通り霊力砲は直撃した

さぁ勝負はここからだ!


直撃とは言っても真装の能力でダメージはない

問題はこの後、藤原がどこに移動するのか?


藤原「取った!!月華・一の太刀」


予想通り!!

藤原はさっきまでとは違い移動能力を近付くのに使用し、刀を振り抜く


「俺の勝ちだ!!」


藤原の刀が当たる前に予め用意していたステルス霊力砲×2を放つ

辺りは煙に包まれる


藤原「残念、私の勝ちよ!!月華・二の太刀」


霊力砲×2を食らったはずなのに無傷の藤原は霊力センサーを頼りに近くに感じた霊力反応に攻撃した


バゴォーン!!


だが、攻撃をしたはずの藤原を中心に爆発が起きた


藤原の霊力センサー外にいた俺は霊力砲を構えながら歩いて近付く


「俺の勝ちって言ったろ?」


俺の姿を見ながら悔しそうに顔を歪める


藤原「全部お見通しだったって訳ね…」


「そんな事はねぇよ、ほとんど賭けだった」


そう。賭けだったのだ

藤原の能力が本当に「1分間に1回だけ相手の攻撃を1回無力化し、自分の目に見える範囲に移動することが出来る」能力だとしたら分かりやすく1分時間稼ぎをするのに違和感を感じた


だから俺は1分間に2回、もしくは全く違う能力だと想定し作戦を立てた


だが本当に想定通りの能力だった場合でも倒せるようにもしないといけなかった

だから今の俺が使える最大の術、ステルス霊力砲×2を2手目として使った


2手目として使ったのは目眩しの意味もある

わざと地面に向けて放つことで煙を起こし、その間に藤原の霊力センサー外へと移動


最後に込めれるだけの霊力を込めたステルス霊弾を藤原の近くに設置

それを俺と勘違いした藤原が攻撃したって流れ


この作戦の前提はそもそも1回目の攻撃にしても2回目の攻撃にしても攻撃を無力化した藤原がそのまま俺に攻撃をしてくるという想定で立てている


もし2回目の後、安全策で逃げられていたら俺には攻撃する手段も霊力も残ってなかった


藤原「賭け、かそれを言うなら私だって…持てる全てを使ったわ」


「それでも次戦えば俺に勝ち目はねぇよ。俺の勝ち目は1割だった、それを最初に持ってきただけだ」


藤原「そんな事言うくせに次戦えばあんたはまた強くなるでしょ…」


若干ふててる


「まぁ、強いて言うなら俺の方が藤原あいての事をよく知ってたって事だな」


体力も霊力も限界で、ふらつきながら寮へと帰った俺は藤原の顔が赤くなっていたのを知らない

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