第119話
激しい攻防が繰り広げられる
藤原の身体能力は約2倍、それに対し俺の霊纏は1.5倍
身体能力はほぼ同じ、それなら近接戦闘では俺に分があった…はずだった
二刀流の方が手数は上、だが空振りさせれば隙が出来やすい
事実何度も俺の攻撃が当たりそうな局面があった
なのに互いに無傷
理由は簡単、俺の攻撃が当たらないから
そしてその原因をようやく突き止めた
考えてみれば当たり前
鬼龍院の真装もどきですら「ステルス霊弾」という特殊能力があったのだ、本物の真装がただ身体能力が2倍になるだけのはずがない
そして攻撃が当たらなかったのは藤原の真装の能力のせいだった
あくまで推測でしかないが「相手の攻撃を1回無力化し、自分の目に見える範囲に移動することが出来る」能力だと考えられる
そしてクールタイムは恐らく1分
つまり俺はあのとんでもスピードの藤原相手に1分以内に2回以上攻撃しないとダメージが与えられないという事になる
仮にそんなゲームがあれば糞ゲー確定だろう
ちなみに無効化が1回と言ったが確実性はない
1回攻撃が当たると遠距離に移動し、1分程度は攻撃に積極性がなくなるっていうだけの情報からそう推測しただけ
俺の霊力も残り少ない
勝つ為には賭けをするしかない
普通の相手なら俺の霊力がなくなるのを待つだろう
でも藤原はそうしない
何故なら極度の負けず嫌いだから
あいつが仕掛けてくるなら、今!
藤原「私の全力を以て、倒してあげるわ!」
刀を両方、腰にある鞘へと仕舞う
鞘なんかあったっけ?
霊力は高まるどころか抑えられている
ふぅ…と一息つき腰を落とし右手で左の刀を握る
抜刀系の攻撃か?
威圧感は少なくなったはずなのに俺の直感がヤバいと危険信号を発しまくっている
間違いなくこれは藤原の必殺技
リスクも伴うが俺が勝てるチャンスがあるとすればここしかない
真装の能力は推測
この後の作戦も藤原の性格を考慮してる
1つでも歯車が狂えばその時点で負け
あぁ...怖ぇ
そう思っているはずなのに不思議と顔はにやけてしまう
辺りを静けさが包む
息を飲む
ゴクン…
その音が会場中に響くんじゃないかと錯覚してしまう
1秒が何十秒何分にも感じられる
まるで時が止まっているかのように
ゴオオォォ!!
まるで台風でも起きたのかと思うぐらいの強風が起こる
藤原が動いたっ!
抑えていた霊力を一気に解放し全力で地面を蹴った
一瞬でも気を抜くと見失ってしまいそうになる、視力と霊力センサー、ありとあらゆる感覚をフル活用して補足する
藤原が射程圏内に入った!
俺は全力で後ろへ跳び
準備していた必殺技をぶつける
ステルス霊力砲…
武本戦でなんとなく使った霊力砲を術として完成させ、ステルス霊弾と同じ要領でステルス化させた
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