第118話

藤原「(目に霊力を集めただけでいきなり対応してきた!?って事は視力を強化出来るって事?だとしても動きは私の方が上!このまま押し切るっ!!)」


藤原は構わず攻撃を仕掛けてくる

スピードはかなりのもの、ただ攻撃が直線的過ぎるから避けるのは簡単だった


このスピード感にも慣れてきた

次に攻撃してきたら反撃してやる!


藤原が近付いてくる

右の大振りをかわす、体勢を立て直し蹴りを放ってくる、それをギリギリでかわし逆に蹴りを喰らわせる


だが俺が繰り出した蹴りは空を切った


有り得ない

体勢を崩した状態で完璧なタイミングだったし手応えもあった

なのに俺の蹴りは空を切り、藤原は3mほど離れた位置に立っていた


どんなスピードだよ!まだ上があるって事か?


藤原「惜しかったわね!正直ヒヤッとしたわ。あんたの土俵で勝とうと思ったけど、やっぱり無理だったみたい」


そう。藤原は真装してから霊装武器の双剣を使っていないのだ

本来藤原が得意としない肉弾戦でギリギリ拮抗が取れていた

これから先はさっきまで以上に厳しい戦いとなるだろう


藤原が霊力で双剣を作り出す

合わせて俺も霊装武器の剣を作る


藤原の双剣は以前見たものとは違っていた

両刃の剣ではなく刀のような形状、それが2つ

つまり双剣ではなく二刀流


烏帽子、白マント、二刀流。

なんともアンバランスな組み合わせで、かなりダサいのに強そうに見える


藤原「ふぅ…」


藤原が一息吐いた

そう認識した直後、右上から刀が振り下ろされようとしていた


「やべっ!!」


慌てて剣で受け止めるがもう1つの刀が襲いかかってくる


「ぐふっ!!」


モロに腹へと直撃を喰らった

刀とは言っても霊装武器は怪異しか斬れない

相手が陰陽師でも生身の人間を傷付ける事は出来ないのだ


それでも打撃としては十二分な威力だった


やべぇ朝食ったもん全部吐きそう…

ていうか武器持っただけでそんな速くなんのかよクッソ!


実際にスピードが速くなった訳では無い

さっきまであった無駄な動きが無くなっただけ、それだけの事だがこの高スピードの戦いでは勝敗を分けるような要素となり得た


出し惜しみなんてしてられないな…

全身…霊纏っ!!


霊力がどんどん減っていくのを感じる


藤原「(今度は全身に霊力を纏った!?正直目だけでもかなり驚いた、けど全身なんて…まして霊装展開したまま霊力を纏うなんてどれだけ繊細な霊力コントロールが必要なの!?ほんとにこいつは…でも尚更負けられない!見た所霊力消費量がネック、なら私は霊力が尽きるまで負けなければ勝ち!!)」


多分藤原は俺の霊力消費量の多さに気付いてる、でもあいつはそうしない


藤原「(なんてね!そんな無粋な事はしない!!真っ向からねじ伏せる!!)」


互いの全力を振り絞ったバトルが始まろうとしていた

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