第117話

校内選抜大会岡山支部―決勝戦


去年は色々あって来れなかった場所、岡山支部校の最強を決める戦い


対する相手は俺が戦った中で最強の相手、藤原瑠奈

霊力量は中級ながら陰陽術に対するセンスは天才、1教えたら10学ぶ奴

それでいて努力家

真装が使えてもなんら不思議じゃない


緊張はしていない、不安もない

勝ち目は1割あるかないか、だが不思議と負ける気はしない


「さぁ、やろうか!俺の最高の友達ライバル


真装の展開を邪魔するような野暮はしない

全力の藤原を叩き潰す

じゃないと決して俺の目標とするあいつには届かないから…


霊装展開して待っていると藤原が真装展開を終えた

直接対峙すると、とんでもない威圧感

今にも逃げ出したい


藤原「手加減なしでいくわよ!だからあんたの全力も見せなさいっ!!」


藤原が先に動く

初動は目で追えたっ!!

けどもう見えねぇ、ヤベェだろ

取り敢えずバリア二重がけ


バリアにぶつかる霊力の反応を感じる

まるで襖を破るかの如く簡単にバリアを破壊しながら拳が向かってくる


避けるか?間に合わねぇ!!

辛うじてガードするが見事に吹っ飛ばされる


去年もこんな事あったなぁ、なんて吹っ飛びながら考える

そうなると藤原は怪異化した武本って事か…

俺も去年より強くなったんだけどな


壁に激突はせず着地する

吹っ飛んだと言ってもダメージを殺す為に自分から吹っ飛んだからな

そう考えるとやっぱ俺、成長してるな…


にしても


「追撃なしなんて優しいじゃねぇか、それとも舐めプか?」


藤原「全力出してないあんたに勝っても嬉しくないのよ」


確かに本気は出してない、でも全力だ

本気で戦うと霊力の消費が尋常じゃない

使い所は見極めなきゃいけない


とは言え今のままじゃ勝ち目は0

じゃあどうするか?


目に霊力を集中する


「かかってこいよ」


藤原「(目に霊力を集めてる?それで何が変わるっていうの!目から霊弾でも撃つつもり?まぁいいわ!そんな小手先じゃ変えられない現実を教えてあげるっ!!)いくわよ!」


また藤原から動く

初動は見える、さぁここからだ!

さらに加速する藤原

俺の攻撃を警戒してジグザグに動きながら近付いてくる

だがさっきと違って動きが見える!


攻撃があたる距離まできたっ!

一瞬止まりフェイントを入れ、すぐ様背後に回り蹴りを…放ってくる!!


目では追えていたが想像以上に速くギリギリかわせた


藤原が面食らっている

まさか避けられるなんて思ってなかったのだろう


これが真装を使えない俺が強くなる為に編み出した技、その名も「霊纏れいてん

霊力を強化したい場所に集める事で能力を向上させる

強化はだいたい1.5倍くらいと大した事はないが霊装と併用する事で絶大な効果となる


ただ常に霊力を垂れ流しながら維持する霊力量と集中力が必要で、おいそれと使う訳にはいかない


最初の攻防で藤原のスピードは霊装展開時の約2倍くらいだと分かった

その程度なら目で追えさえすれば対応出来ると思い目だけ強化した


それでもよけるのがギリギリになっちまう辺り、まだこのスピード感に慣れてないって事だな

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