第116話

バトルロイヤルの勝者は3年男子だった

どうやら山本先輩も参加してないらしい


こうして準決勝のメンバーが出揃った

第1試合は俺と3年男子


連続の試合になったのは運が悪い

が、どのみち俺の相手じゃないのでステルス霊弾で瞬殺した


注目の第2試合

両方と戦いたかったがクジ運だから仕方ない

この試合はどちらが勝つか分からない


篠原「いきなり、るなっちかぁ…正直先に当たるなら阿部くんの方が良かったな」


藤原「そこまで評価してもらえてるなんて思ってませんでしたよ。私も先輩の事は最大限警戒してます、なので最初っから全力で行かせてもらいます」


篠原「へへっ、それは怖いねぇ」


試合開始と同時に篠原先輩は動く

だが藤原はそれを予想していたのか霊弾を連射し視界を塞ぎ、自身の周囲に障壁を貼る


藤原「真の力をもってして、大願を成就なさしめ給へとかしこみかしこみ申す…真装」


藤原が何かの詠唱をしている

それと同時に藤原の体から激しい光が放たれる

その光が台風のように藤原の体の周りを渦巻く


光の正体は高密度の霊力

俺はこの現象を見た事がある

鬼龍院の霊装展開・蛮化…

蛮化の時より消費霊力は少ないはずなのに発する圧が比べ物にならない


これが本物の真装?


そこにいた藤原は白いマントを羽織り、頭には烏帽子を被っていた

現代的な制服にマントと取って付けたような烏帽子はあまりにもシュールだった


だが対面している篠原先輩にはそんなのを気にする余裕すらなかった


篠原「全力とは言ったけどやばすぎないかい?それ、正直笑えないよ」


藤原「奥の手を隠せる程の実力差はないと思ってます。だからこその全力です」


篠原先輩が先に動こうと地面を蹴った――


そう思った次の瞬間、篠原先輩は地面に倒れておりその横には藤原が立っていた


篠原先輩の霊力変換率は7割程度だった

だとしても素の身体能力がずば抜けている為、接近戦においては生徒の中では最強クラスだ


その篠原先輩が先に動いたのに後から動いた藤原の動きが見えず、更には何も出来ず倒された

俺は次あんな藤原バケモノと戦うのか?


正直言って勝てるビジョンが浮かばない


藤原と目が合う

すると藤原は俺に向かって指を指す


「次はお前だ」ってか?


藤原の表情は自信に満ち溢れ、尚且つ戦いを楽しみにしているのが分かった


やれやれ、流石の俺でもまともな戦いになるかわかんない。

篠原先輩と同じ様にあっさり負けるだけかもしれない

どれだけ俺を過大評価してんだよ


その時、俺の表情が笑っていた事を俺は知らない

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