第115話
中村と別れゆっくりと教室へと歩く
あぁ、今日は色々あったな…
杉山に追い詰められ、武本に負け
でも自分を見つめ直す良い機会でもあった
それに必殺技の形も見えてきた
俺はまだ強くなれる…
グッと歯を食いしばる
緩めてしまうと涙が零れそうだから
悔しい!悔しい!くや…
藤原「もう大丈夫なの?」
「え?なんで?試合は?」
藤原「勝ったわ」
早くね?対戦相手は山本先輩じゃなかったか?
ほんっと、どんどん強くなるなお前は…
願わくばそんなお前と戦いたかった
「そっか!すげぇじゃん!おめでとう」
藤原「…??なんで他人事なのよ」
なんか反応が変だな
「そりゃ勝ったのは藤原だし…」
藤原「去年は私が負けたせいであんたとの試合は実現しなかった。誰にも言ってないけど私の中であんたと選抜大会で戦うのは1つの目標でもあったのよ」
だとしても俺は負けてるからなぁ…
藤原「はぁ…私はあんたの事ライバルだと思って戦える日を楽しみしてたのよ!2年の、いえ!ここにいる誰よりも!」
つまり、不甲斐ない戦いをして負けた俺を怒りに来たのか?
「それは残念だったな…」
藤原「なにが残念よ!戦うまでも無いって事!?」
??なんか話が噛み合ってない気が…?
「戦うまでもないだろ?」
だって俺負けたし
藤原「そこまで私の事下に見てたのね…そう。もういいわ、明日見せてあげる」
プイッと顔を背け去ろうとする藤原
「待て待て待て!!なんでそんな怒るんだよ」
藤原「怒ってないわよ!」
「怒ってんじゃねぇか!俺は今日負けたんだから戦えねぇって言ってんだろうが!!そりゃ俺だって戦えるならお前と…」
お前と全力で戦ってみたかった
藤原「…??」
何故か藤原の顔が困惑した表情になる
「な、なんだよ」
と思ったら次はニンマリとした
藤原「そ!あんたも楽しみにしてたのにね。いいわ、なるべく体調を万全にして明日を迎えなさい。私の勇姿を見るために」
一年以上友達をやってるがあいつの事だけはほんとによく分からん…
藤原に言われたからでは無いがその日は早めに眠りについた
――翌日
俺は昨日の言動を激しく後悔した
去年と同じく2日目最後の1人を決めるバトルロイヤルが行われた
2年は全員辞退したらしい
試合が終わるまでそこそこ時間があるから俺はある人物の元へと急いだ
「クッソが!昨日教えてくれても良かっただろうが!!」
藤原「ぷぷー!勘違い乙っ!!「俺だって戦えるならお前と…」」
俺の真似をする
絶対ぇ泣かす!!
どういう事なのかは分からないが俺は昨日、武本に勝った事になっていた
というか勝っていたらしい
盛大な恥をかいたがそれはこの後晴らせばいい
後悔しないよう全力で!!
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