第114話
あー。やっべぇな、どうしよ
危機的状況なのにおれが考えていたのは初めて霊弾を見た時の事だった
なんで弾にして撃つ技はあるのにビームにして撃つ技はないんだろう?
その頃見ていたアニメに影響されてそんな事を考えてた気がする
違うだろ!ぼーっとしてる場合じゃねぇ!!
ふと気付くと俺は両手を前に突き出し巨大な霊弾を作る要領で霊力を溜めていた
感覚的なもので説明するのが難しいが撃てるってのが分かった
まるで俺の中にいる誰かが教えてくれるみたいに
大事なのは想像力…明確にイメージしろ!
だが何かが足りないこのままだと暴発する
何となくそれだと分かった
「……霊力砲」
溜めていた霊力がビームとなって放たれる
龍と霊力砲がぶつかり合い拮抗する
龍はもう武本の手から離れてる、でも俺の霊力砲はまだデカくなるぜ
「おっらああああぁぁぁぁ!!」
込められるだけの霊力を込めた
これで負けたら仕方ない
結果を知る前に俺は貧血で倒れた
目を開けるとそこには見覚えのある天井があった
この短いスパンでまたここに運ばれるとは思わなかった…
そう保健室である
霊力砲を撃ったとこまでは覚えてるけどその後の記憶がない
気絶したってことは負けたんだろう。どうやって負けたんだろうか?
保険医「おや、目が覚めたかい?君はこないだ来たばっかりなのに全く…」
「いやはや、返す言葉もございません…」
保険医「貧血するほど血を流すなんて学生がする事じゃないよ!戦うなら戦うでもっとスマートにしなよ!身近にいい手本がいるんだからさ」
保険医の先生は所謂おばちゃん先生である
でもこんな学校で保険医をするくらいだから陰陽師関連の人なのだろう
事実、手際もいいし処置も完璧
「手本…?」
てかそんなスマートに戦う人この学校にいたっけ?
保険医「何言ってんだい校長先生だよ!校長!!」
確かにあのイケメンスーパーエリートの校長ならスマートに戦いそうだ
でも俺はあの人が戦う所を見た事ない
と、校長の話になり保険医の先生のテンションが上がってきた
なんとなく話が長くなりそうだったので体の痛みを我慢して逃げ出した
保健室から出ると中村が待っていた
中村「もう動いて大丈夫なの?」
「色んな所痛いけどなんとか、かな?」
中村「そっか…無理しないでね?」
なんというか夏休みの時や今もそうだが中村は凄い
今だって自分も負けて悔しいはずなのにわざわざ俺を心配して駆け付けてくれた
嬉しいとは思うし、優しくて良い奴だなとは思うけどそこまで想われる程の何かは無かったしやってないと思う…
中村に聞いた所さっき第3試合
つまり今日最後の試合が始まった所らしい
負けてしまった俺には関係ないが藤原の戦いは見ておきたかったな…
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