第109話

光ったと思った時には遅かった

体が動かせない!!


杉山「これが今日の為に準備してきた俺のとっておきって奴じゃ!!この術を食らったら絶対に動けんけぇ」


こんな強力な術を詠唱なしで使ったのか?

…いや?なんだこれ

地面に流れる霊力の形が大きな円の中に五芒星を形取っていた

詠唱じゃなくこの五芒星で術を発動したって事か?そんな事が…いや目の前で起きてるんだ、なんにせよ俺はまんまとやられたって訳だ


この複雑な形に霊力を流す為にナイフを使ったって訳か…

俺から逃げながら五芒星の形を作って最後には俺の位置を五芒星の中心まで誘導

悔しいけど完敗だ、完全に杉山の作戦勝ち


あぁ、負けた

同級生どころか学生相手に負けたのなんて初めてじゃないか?

悔しい。悔しいなぁ…


でも試合には負けない

このまま降参したい気分だ

でもしない。

だっていつもクールぶってる杉山があんな恥ずかしい語りまでしてくれたんだぜ?

それに応えないと駄目だろ!

だから俺は杉山の作戦ぜんりょく力技ぜんりょくでぶち壊す


杉山は俺の周りの地面にドンドンナイフを投げて刺す

ナイフをまとめて爆発させる大爆発による攻撃か

まともに喰らえば無事じゃ済まないな


杉山「死なれちゃ困るからちゃんと防御してくれよ?」


結界を発動するのにかなりの霊力を消費した杉山は残りの霊力を全部使い切るつもりらしい

ホントにこの試合に全てをかけてんだな…


こういう場合の防御と言えば?

そう、障壁。

障壁で全方位防御するには前後左右上下、計6回術を発動しなければならない

なら1回で全方位の障壁を張ばいいんじゃないか?

そう考えた俺が作り出したのが対象を中心に円形の障壁を張る術、

名付けて全方位防御障壁バリア

霊弾と同じく俺の常識に囚われない想像力によって産み出された術

なんとこの術、消費霊力は通常の障壁の1つとほほ同じの安心設計


時間の限りに自分にバリアを重ね掛けする

この結界体が動かせないだけで陰陽術は使えるようだ


杉山が霊力をギリギリまで使い終えた

俺の周辺には数え切れない数のナイフが突き刺さっていた


杉山「待たせたな!!これで終わりだっ!!大連鎖爆撃っ!!」


激しい光と音が俺を襲う

ギリギリまでバリアの展開をしていたから術の発動に気が付かなかった


光で視力を奪われ

爆音で聴力を奪われた

戦闘中なら致命的だが今この状況においては都合が良かった

余計な情報を全て遮断してバリアに集中…

術の発動までに展開出来たバリアは10

最初の衝撃で一気に5つ破壊された

爆発は収まらず1つ、また1つと破壊されていく

だから俺は破壊された側からまた新しいバリアを張る

破壊されては張り、破壊されては張りの繰り返し

そうは言っても破壊されるスピードの方が早い

残りのバリアが4つ、3つ、2つ、と減っていく


まだか?まだ止まんねぇのか?


そしてついに残るバリアは1つとなった

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