第105話

とは言っても結果受かったから正直どうでもいい

それよりも気になるのは仮に採点基準が俺が思ってるよりかなり甘いものだったとしても、陰陽師になる為に受ける試験…それに実技だけとは言えクラス全員が受かった事だ


担任「1人だけ納得してなさそうな奴がいるな?」


担任とバチッと目が合った


「はぁ?納得してないとかそんなんじゃ…」


この見透かされてる感じがムカつく


担任「こいつらは受かる程強くなかったのに、ってか?」


言い方は悪いがその通り

藤原と武本以外はそもそも霊力量の時点でハンデを背負ってる

見た所、霊力量が増えてる訳でもない

それならどうやって?と思ってしまうの普通だろう


最近は霊力センサーで誰の霊力なのか何となくだが分かるようになってきた


あぁ…納得した

今この教室に近付いて来ている人物が皆を指導したんだろう

陰陽術の授業と放課後の特訓がなくなったのは修行する為だったんだろう

大方俺を驚かせようって感じか?

それにしてはやたらと期間が長い仕込みだったな…


「よう!おっさん、久しいな」


山村「おっ?元気そうじゃねぇか!」


約10ヶ月ぶりに会ったおっさんはスーツを着ていて、なんだか小綺麗になっていた


担任「皆知ってると思うが私の師の山村だ!突然ではあるが二学期から臨時講師として来てもらうこととなった!!」


おっさんが教師!?似合わねぇ…


担任「それに合わせて陰陽術の授業は再開する。その代わり放課後の特訓は任意とする」


やっぱ放課後の特訓はやってたのか

藤原もおっさんの事知ってるっぽいし参加してたんだろうな…

なんだろう、この俺だけ除け者にされた感覚は…


担任「なぁ阿部」


「はい」


担任「私はただこいつらに陰陽免許クリアレベル、つまり陰陽師として戦えるレベルの力を付けさせたかったんだ」


「はぁ…」


何が言いたいんだ?


担任「だから本来ここまでお前に隠し続ける必要はなかった。なら何故隠し続けたのか?分かるか?」


「全く」


本当に分かんねぇ

てかちゃんとした理由があったのか?


担任「11月の選抜…コイツらの標的はお前だ!コイツらは陰陽免許なんか眼中になく、お前を倒す為だけに強くなった!だから隠した、でも隠し続けるのはフェアじゃねぇ。こっから2ヶ月…周りは全員敵だ!使えるもの全てを使って強くなれ!!3年なんて相手にならないくらい強くなってお前らだけで上位を独占しろ!!」


胸が熱い

さっきまでの除け者にされたとかどうでも良くなった

このクラス全員が俺を倒す為だけに強くなったって?

最高じゃねぇか…

燃えてきたぜ!

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