第98話

教育ついでに弱点を教えてやろう

この攻撃の肝は俺が3人の中心にいる事

ならどうすればいいか?

簡単だ


飛んで来た霊弾を躱すと同時に一直線に走り出す

奴らが作り出した三角形から出ればいいのだ

霊弾は右前の所へ飛んでいく

右前は何も考えず俺の方へと霊弾を打ち返す

勿論俺には当たらない

三角形から大きく外れた位置に飛んだ霊弾を末永が必死に追いかけるが追い付かず消滅した


末永「クソっ!!この技の弱点をもう見抜いたって言うのか!!もう1回囲めっ!!」


懲りずにもう一度俺を中心に三角形を作り出す


末永「まだ完全じゃねぇが…ダブルトライアングルいくぞっ!!」


上下&右前「!!」


ダブルトライアングル…文字通り打ちながら回す霊弾が2つになっただけだった


俺を囲むように三角形を作ったまま2つの霊弾を打って回す

途中で末永が俺に向かって打つと上下が霊弾を補充する

3人がそれぞれその役割をするのかと思ったら打つのは末永で補充するのは上下だけだった

なんならさっきより避けるのが簡単になった…


…もういいだろう、曲芸に付き合うのはおしまいだ

末永が俺に向かって霊弾を打った直後に上下に襲いかかる


上下「うわっ!!ちょっ!まっ!」


慌てた上下は末永の方に放つはずだった霊弾を俺に向かって放った

勿論俺はそれを避ける


上下は戦闘態勢を取り構える

だが霊弾はもう1つあるのだ

気付いてない右前は先程と同じ様に上下に向かって霊弾を打つ


末永「上下っ!!」


右前「あっ!?」


末永が慌てて叫ぶが緊張して視野が狭くなっている上下には届かない

正確に上下に向かって放たれた霊弾は上下の左肩に直撃した


早乙女対藤原兄の戦いでもあったが意識してない攻撃を食らうと普通の人間は混乱するのだ(藤原兄は普通ではなかった)


上下も例外なく混乱した

しかもただの霊弾とはいったがスピードによって多少威力が上がった霊弾は霊力変換率1割の上下にはかなりのダメージとなる


謎の攻撃により周囲を気にして俺を見失っている間に背後に迫り後頭部へと蹴りを浴びせる


「まず1人」


1人とはいったが1+1+1が10だったこいつらは1+1だと1か2の実力しか出せない

こっからはただのお仕置イジメ


二度とあんな事をしないよう少し強めにボコボコにした

その日の陰陽術の授業は指導する2年が1年全員を完膚なきまでにボコボコにするというとんでもない字面で終わった


これに懲りたらアイツらも少しはマシになるだろう…

そう思っていたのだが


――翌朝


ガラガラッ!!


朝のHR前に1年の3人が勢いよく教室の扉を開けた

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