第95話

そして迎える次の金曜日

中村の左肩の傷は綺麗に治った

だが俺の怒りは収まらない

寧ろ中村からの話を聞いてさらにムカついた


1年達クソガキどもは体育館へと向かう道中でいきなり中村を襲ったらしい

女子2人が中村の顔に布を被せ、上下・右前が霊弾を乱射

隙が出来たところに霊装武器で切り掛った

1年の担任が慌てて保健室に連れていきその日の授業は中止となった

との事、確かに怒りは沸いた

沸いたんだけどそれだけされたのに左肩の切り傷だけで済んでるの凄くない?

中村ってそんな強かった?

それとも知らない間に強くなったのか


それにしても…

何がワイは強い!だ

そんな事を言っときながら5人がかりで女子を襲うなんてクズ過ぎる

俺が二度と逆らえないように思い知らせてやるよ


体育館で合流予定なので1年より早く来て待ち構える

体育館の重たい扉が音を立てながら開く


「よぉ、クソガキ共昨日はよく眠れたか?」


威圧はしない

実力を出させた上でボコボコにする為に


上下「クソガキだと?アンタもそんな変わんねぇだろうが!」


右前「ちょっと早く生まれたくれぇで調子乗るなよ!!」


なんだコイツら!

正論ぶん投げて来やがった!クソォ!


末永「先週来た先輩がどうなったか知らねぇの?それともワイらの力にビビったんか?どの道弱ぇアンタに学ぶ事はないから帰れや!」


たかだか霊力が下級程度でどんだけイキるんだよコイツは…

見た感じ女子2人は俯いてるしコイツらに無理矢理やらされた感じか?

まぁ、でも悪いと思っててもやったら駄目な事をしたんだお灸を据えなきゃな


「1つ教えといてやるよ。俺は2年で1番強い、俺に勝てたらお前らは本物だと認めてやるよ。分かったらさっさとかかって来い」


煽りながらも1年の担任へとアイコンタクトを送る

事前に今日の授業は模擬戦おしおきをする事を伝えていたので大丈夫だろう

1年の担任は申し訳なさそうにお辞儀をしていた

問題児だらけだがどうかしっかり手綱握ってやってくれよ?


上下「はぁ?お前が2年で1番?嘘つくなよ」


右前「そうだ!もしワイらが勝てんとしたら中級の藤原先輩だけだろ!!」


末永「並級の癖に口だけは達者やな!!謝るなら今のうちやぞ!!」


煽ったはずなのに3倍にして返される

流石の俺でも怒りで手元が狂ってしまうかもしれない


「御託はいいからかかって来いって言ってんだろ?聞こえなかったのか、雑魚ども」


軽く殺気を飛ばす

1年達は一瞬ビクッとなって緊張感が漂う


「安心しろよ、霊装も陰陽術もなしでやってやるからよ。あぁ、そうそう!勿論全員でかかって来いよ?すぐ終わっちゃうから」


こうして模擬戦フルボッコタイムが始まった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る