陰陽免許編

第93話

時の流れは早く、気付けば俺達は2年になっていた

陰陽高校に卒業式なんてものはなく(入学式はあったのに?なんでないの?)3年生はいつの間にかいなくなっていた


卒業前に鬼龍院が勝負を挑んで来たから返り討ちにしたんだけど…それは割愛でいっか

俺に負けた事で心を入れ替えたのか?前より術の練度は上がっていたし、努力した様子が見受けられた

この様子ならきっといい陰陽師になると思う(どこから目線だよ)


そんなどうでもいい事は置いといて、2年になるということは後輩が出来るということ

これがまたちょっと面倒臭い事態になっている


今年の1年は男3人に女2人の5人でちょっと少ない

と言っても田舎の陰陽高校ならよくある話らしいし酷いと1人だけの時もあるみたい…


っと!話は戻るけど面倒臭い事態ってのが男子3人の事で彼らは小中と同じ所謂、幼馴染と言うやつらしい

リーダー格の末永すえなが、参謀役の上下うえした、補佐の右前みぎまえ

上下、右前は並級らしいが末永は下級で例に漏れず甘やかされて育ったらしい

末永は当たり前のようガキ大将と化しそのままの性格で高校へとやってきてしまったのだ


ガキ大将なだけだったらよかったのにこんな事を言っていたらしい


末永「ワイは下級陰陽師だからつえーんじゃ!3年にはまだ勝てないかもしれんけど2年なんて鼻クソ以下じゃけんな!なにが2年のサポートじゃ!そんなんいらんけん!ワイより弱いやつに教わることやこないんじゃ!!」


もうあの…あれだね、俺が嫌いなコテコテの岡山弁

じゃなくて!凄い言い草だよな…

見た事も戦った事もない相手をどうしてここまで愚弄出来るのだろうか?

途中で霊力が増えた俺や武本の事は知らなくても藤原なんて入学当初から中級なのに知らないんだろうか?


今の時点で霊力量が分かるってことは家に霊力測定器があるってことだよな…

確かそれなりの名家じゃないと持ってないって聞いたんだけど聞き間違いだったかな?


まぁいいんよ?

多少態度が大きかったり?舐めた事言ってたり?俺は強いって自分を誇示すんのはね?


ただそれで人に…具体的には俺のクラスの皆や仲のいい先輩達に迷惑をかけるんなら俺は許さない


あのクソ野郎(担任)が何を思ってそんな情報を俺に伝えたのかは分からないけど、その事を聞いてから嫌な予感が止まらない

特に俺は高校に入ってから変な奴に絡まれる傾向があるからなぁ…


そんな俺の予感は最悪の形で的中する事となる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る