第90話

全国大会2日目が始まった

…でも、あれ?確か昨日勝ち進んだのって6人だった気がする

人数が割り切れない

決勝は3人でデスマッチでもすんのか?

いや毎年48人なんだからそこは考えてるはずだろう


アナウンス「それではっ!!毎年恒例敗者復活戦を開始します!!」


毎年恒例なんかいっ!!

思わずツッコミそうになったが我慢した

毎年恒例だという敗者復活のやり方が独特だった

陰陽会から選出された審査員の投票により4名が選ばれる

そして4人で同時に戦い勝利した2名が本線復帰となる


選ばれたのは、東京2位代表と群馬代表と熊本代表と新潟代表

審査員に選ばれるだけあって4人の戦いはかなりハイレベルなものだった

でもやはり早乙女の方が凄いと感じてしまい、どこかぼんやりと試合を眺めていた

試合の結果、東京2位と新潟が勝利した


こうして2日目の出場選手が出揃った

東京1位代表、早乙女 琉生(1年男)

京都代表、藤原 貴文たかふみ(3年男)

以下名前は省略

大阪代表、近藤こんどう(3年男)

名古屋代表、村上むらかみ(3年女)

滋賀代表、田中たなか(3年男)

福岡代表、山中やまなか(3年男)

東京2位代表、篠田しのだ(3年男)

新潟代表、進藤しんどう(3年男)

の計8名


ここまで勝ち上がってくるとなるとやはり殆どが3年で男の方が多いみたいだ

しかも霊力はほとんどが上級以上

やはりこの中で1年かつ霊力が並級の早乙女はかなり異色に感じる


2日目の初戦は2試合ずつ行われる

先程の試合よりも1ランク上の攻防が繰り広げられるが、その中でもやはり早乙女は圧倒的だった

そしてもう1人圧倒的な強さを見せて勝ち上がっていたのが藤原の兄貴だった


2人とも順当に勝ち上がり決勝へと駒を進めた


アナウンス「それでは決勝戦を開始して下さい」


この2日で聞きなれたアナウンス音声で試合が始まる


2日目も霊力センサーを使える相手がおらず様々な工夫をしながらステルス霊弾の攻略を試みたが、見えない攻撃の前にあえなく敗退していった

初日の3回戦では北海道の様子を伺って興味津々と言った感じだったのに、2日目は一転してさっさと終わらせたい感じすらあった

その様子はまるで、ゲームに飽きた子供のようだった


決勝戦も同じ様に終わらせようと先に動いたのは早乙女

通常の霊弾とステルス霊弾を組み合わせた連射で相手を消耗させる

2日目の初戦は相手がダメージに構わず強襲してきた、準決勝では北海道と同じ様に障壁で防御した

霊力センサーが使えないならその2択になるのは至極当然で寧ろ100点に近い解答


だが藤原の兄貴は違った

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