第85話

先輩はすぐに体勢を立て直し、壁のない方向へと向かう

そう!それでいい


北海道「無駄だって!」


が!またもや巨大な雪の壁が現れ阻まれる

は?そんなはずは…だってあれは詠唱に1分かかる術じゃないのか!?


だがその疑問はすぐに解消された

あの霊装武器!

霊力の動きをよく見たら霊装武器を経由して術を発動している事が分かった


見た感じ術1回の霊力消費量は変わってない様に感じる

て事は1度使った術の詠唱を短縮または無しで使えるってことか?

そんなチート有り得るのか?

そもそも霊装武器に特別な効果なんて…

いや、あるか

鬼龍院だって霊装武器を経由する事で霊弾の威力が上がってた

術の補助的な効果なら有り得てもおかしくないのかもしれない


それなら考えるべきは…効果は時間制?回数制?それとも無制限?

他の術も同じ様に短縮出来るとしたら?

何も分からない…

これから情報を集める?この不利な状況で?

無理だ!

じゃあ霊力切れを狙う?

あの術はそこそこの霊力消費量だが相手の霊力は上級クラスはある、そんな余裕はない!

それに俺が分かった所で伝える術も…ない

結局俺には祈ることしか出来ない



四方が巨大な雪の壁に覆われた

迂闊だった

初戦が楽勝だったから…

特訓で強くなった気でいたから…



―――試合開始直後


また霊弾の連射か…

この人は初戦の僕を見ていないんだろうな

ま、そりゃそうか!初戦は同じタイミングで戦ってた訳だし

僕にはその程度の霊弾は効かないよ!!


効かないのになんで同じ事を続けるの?

ダメージはないけどムシャクシャする

でも駄目だ!無理に突っ込むだけじゃこれまでと一緒…

そんな事を考えていたら霊弾が止まった


相手が話しかけてくる


北海道「アンタはもう俺にちょせんよ!したっけ、俺にやられてわやになる前に降参勧めるけど?」


降参を勧める?

まだ何も決まってないのに?

舐めるな!!


篠原「何言ってるか分かんないけど…馬鹿にされてる事だけは分かる!!」


そんなに僕の拳が喰らいたいのかい?

全力で地面を蹴る

初速からすぐに最高速に…


僕の霊力センサーは半径3mまでしか届かない

そのセンサーが進行方向に巨大な霊力反応を感じた

攻撃!?そんなモーションは無かった

さっきまで話してたのに?

どうする…

急には止まれない

なら避ける?無理だ

歯を食いしばれ!せめて受け身で


ダメージを最大限防ごうとした結果タックルのような格好になった

雪の壁とは言ったがふわふわの雪で出来た雪だるまのようなものじゃない

ガチガチに固めた氷のような硬さの物体と激突した

衝撃でいうと走ってる車が壁に激突するようなものだ

だが今回激突したのは車ではなく人間、車ですら大破するほどの衝撃をその身に受けた


痛い…

左肩は多分脱臼してる

首も筋をやったかもしれない

足は?大丈夫

腕は?右腕なら動かせる

なら動け!!多少のダメージは気にするな!

相手も大技の後、それなら隙が出来るはずだっ!!

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