第79話

あっという間に1ヶ月が過ぎた

俺達3人は今陰陽高校京都本校にいる

今日が全国陰陽高校選抜大会…通称冬の選抜大会の初日なのだ


厳しい特訓だったが篠原先輩は結局霊力センサーを完全にマスターする事は出来なかった

とは言え1ヶ月という短い期間ではかなりの完成度になったと思う


ちなみに直接聞いた訳ではないし教えた訳ではないが、藤原は霊力センサーをほぼマスターしてると思う


京都校は本校と言うだけあってかなりデカい

勿論、岡山支部同じで山の中にあり結界で覆われている

毎年冬の選抜大会がここで行われる為、専用の闘技場があった

闘技場もデカいし広い

なによりそれが地下に存在しているのに驚愕した

このネタが伝わる人がどれだけいるのか分からないが桃太郎アリーナ(※岡山にある総合体育館)が5個以上入りそうなデカさだった

改めて陰陽会の凄まじさを感じた


それだけの広さだが集まった生徒は47都道府県の代表に加えサポート生2名で150名近い


この1年近く全校生徒合わせても30名に満たない環境で過ごして来た為、歳が近い人間がこれだけ集まるというのが懐かしく感じた


???「おい」


誰かを呼ぶ声

こんな所に知り合いがいるはずもないので俺じゃないな

そう思いながら声の主の方を見る


身長は低いがそれに合った幼なさが残る顔立ち、生意気そうだがジャ〇ーズにいそうなイケメンがそこに居た


イケメン「おい!お前」


気のせいかもしれないが俺の方を向いてる気がする

後ろにいる人に声をかけてるんだろうか?

そう思い後ろを向くが誰もいない


不思議に思い藤原と篠原先輩の顔を見る

篠原先輩はいつも通りぽけーっとしているが藤原は何だか凄い顔をしていた


イケメン「何で無視すんだよ!」


パチリと目が合う

あらやだイケメン…キャッ

じゃなくて確実に俺の目を見ながら言った


「え?ナンパ?」


イケメン「そんな訳ないだろ!ふざけてんのか!!」


怒ってもイケメンだ

なんかムカついてきたな


「は?俺はお前なんか知らねぇんだよ。話がしてぇなら正式な手順踏みやがれ!!」


イケメン「んだとお前っ!!このっ!お前!!俺が誰だか分かってんのか!?」


「だから知らねぇって言ってんだろ!!耳までおかしいのか!?このボケがぁ!!」


言い合いはどんどんヒートアップしていき注目を集める


???「早乙女様っ!!何してるんですか」


もう少しで手を出しそうになったタイミングで新しい奴が登場した


早乙女「おい伊集院どこ行ってたんだ!このクソ野郎に俺の事教えてやれ!!」


伊集院「ちょっと受付に行ってくるだけと言ったのになんで問題を起こしているんですか!ほんとに…」


この伊集院って奴かなり強い

しかも陰陽師的強さじゃなくて肉弾戦的な強さ

俺自身格闘技の経験は浅いが強い人間に教わっていた事もあり、そういう身に纏う空気のようなものが分かるようになった


伊集院「いやーすいませんね。ほんとよく言っときますんで、皆さんはどこの代表の方ですか?」


「おかや…ま…」


言おうとしたら凄い勢いで腕を引っ張られた


「ちょっ!!いきなりどうしたんすか!!」


篠原「阿部くん!!私まだ受付してなーい!!!!」


受付には何とか間に合った

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