第74話

校長「君なら実力も申し分ないしどうかな?いい経験にもなると思うんだ!!」


校長の懇願するような表情

助けてあげたい気持ちはあるけど…


「いや、無理っすね」


校長「まじかぁ…」


「ちなみにもう1人のサポート生に藤原が選ばれたのは何でですか?」


校長「それも篠原くんからの提案なんだ。本来は2年の最優秀者だけど2年からは代表者が出てるから1年から出してはどうか?とね」


「いや、それなら事情はあれど武本じゃないんすか?」


校長「サポートってだけあって同性も必要なんだ。特に女の子には色々あるしね」


まぁそう言われれば納得出来るけど

藤原の奴上手く篠原先輩を丸め込みやがったな…


まぁいいや俺は出なくてよさそうだし


校長「本当は君にやって欲しかったけど仕方ないね…」


「力になれず、すいません…」


担任「そうかぁ〜、残念だな。サポート生には賞金の分与があるのになぁ〜」


賞金…だと


「へ、へぇ〜そうなんですね?ちなみにいくらほど?」


担任「いやいや、お前は辞退したんだから関係ないよなー?」


「いやいや、まだ辞退とは言ってませんよ?ねぇ校長?」


校長「そ、そうなの?」


「そうなんです!で、賞金は?」


担任「ハッ、お前も金には勝てねぇってか?基本は勝利賞金の5%だ」


5%!?

100万の5%だから5万か…

5万かぁ〜

勝つ保証はないけど篠原先輩なら一勝くらい…

いやでも勉強もヤバいし

くそぉ!!どうする、どうする?


担任「ちなみに代表者及びサポート生は期末テスト免除だから」


完全に俺の心は決まった

多少の面倒臭さなどどうでもいい


「やります!!」


こうして俺と藤原は篠原先輩のサポート生に決まった


校長室を出た

こうして校長室に入ったのは3度目

2度目は1度目と違う場所から入った事に戸惑ったが霊力センサーが使える今少しだけ分かった


どこかにある校長室へと繋がる陰陽術を使ってるのかとも思ったが違う

校長室自体が陰陽術なのだ

恐らくは校長による結界系統…でも見ても何がなんだか分からない

込められている霊力がとんでもなくそれを隠すように結界が張られている


知らない者が校長室へと行こうと思っても不可能に近い

担任だって何かの霊具を使って入ってた

ただの田舎の校長室にそこまでしないといけないのか?

それとも校長が誰かに狙われてる?

考えても仕方ない

取り敢えずは横の藤原てきに問い詰めるか…


「おい!」


藤原「な、なによ!」


「俺を売っといてなによはないだろー?藤原ちゃーん?」


藤原「チッ!バレたか」


こいつ今チッ!って言った!華のJKがチッ!って言ったよ!こわーい!!


「で?なんでこんな事した」


藤原「言いたくないわ」


この期に及んでまだこいつっ!!


「あぁ、そうですか。俺をダシにしてまでも愛しの校長先生にアピールしたかったんですね、はいはい」


何となく。

何となくだがムッとしてそんな事を言ってしまった


藤原「違うわ」


「何が違うんだよ」


藤原「あんたに追いつく為よ」


「は?」


予想もしてなかった答えに呆然としてしまう


藤原「あんたは…最初はただの変な奴だったのに。そうよ!変な奴なのに!!気付いたら霊装を誰よりも使いこなしてた」


変な奴って言うなよ

お前も変だろうが


藤原「それでもまだ私の方が強かった。そのはずだったのに…1ヶ月半よ。私たちが自分達で考え少しずつ成長できたと思った1ヶ月半。あんたはその1ヶ月半で何倍ものスピードで強くなってた」


確かに俺の成長スピードはおかしい

自分でも思う

でもそれで藤原がこんなに思い詰めてるなんて思ってもいなかった


藤原「私は悔しかった!私が弱いままなのが悔しかった!だってそうでしょ?あんたは私の初めての友達なのよ!あたしはあんたの隣にいなきゃ駄目なの!友達とは対等でいなきゃいけないの!!だから、使えるものなんでも使って私は強くなるの」


あぁ…やっぱこいつは強い奴だ

それに比べて俺は…

さっきの発言を取り消したい

あれは嫉妬だ

友達である藤原に好きな人へのダシにされたと思って嫉妬したんだ…


でもこいつは…

かっけぇよ、本当


「ハッ!だとしたら愚策だったな!お前の策略によって俺は更なる高みへと至る。篠原先輩の技術を盗み!他校の代表からも吸収する!俺は突き進むぜ、後ろは向かねぇ。だから…さっさと追いついてこい」


それだけ言って少し恥ずかしくなったので小走りで去った

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