第63話

武本「お前だけは絶対に許さねぇ」


武本の保有霊力がさらに黒くなる

もはや赤というより紫と黒が混ざったようなドス黒い色になってる


武本は右手に霊力が集め、それを薙刀の形へと変化させた

だがそれは霊装武器ではない

薙刀の形をした、ただの霊力の塊だ

それなら俺は霊装武器を出す必要はない


武本が真っ直ぐに突っ込んでの突きを放つ

たったそれだけの事なのに必殺の技となり得るほどに速い


反応は出来た

攻撃も見えてる

でも回避出来ない

体が付いてこない


攻撃を食らった俺は見事にぶっ飛び壁に激突する

回避出来ないのが分かった瞬間すぐにガードを固めておいた

軽く膝を曲げ衝撃を吸収する構えから当たった瞬間後ろに思いっきり飛んでダメージを緩和した

壁にぶつかるまでの間に背中に障壁を張れるだけ張った

組手の時に覚えた高等技術のフルコース


これだけやったのに障壁は全て破壊され壁とぶつかった衝撃で気絶しかけた

スピードだけじゃなく攻撃力までとんでもない


確かにとんでもないがそれだけなのだ

ただ速くて強いだけ

とんでもパワーを扱いきれてないからただ真っ直ぐ突っ込むくらいしか出来ないのだろう

さっきのカマかけの反応と合わせて考えれば、この力は誰かに最近与えられた物だと分かる


そしてこんな凶悪な力を学生に渡すような奴はろくでもない奴だと言うことも分かる

だから俺がやる事は目の前の武本バカをぶん殴って正気に戻し、そのろくでもない奴の情報を担任に渡すだけ


さぁ、さっさとろうか


一撃与えた後、すぐに追撃してこない武本アホの方を見る

たった一撃で勝利を確信したのか、霊力の薙刀も消して無防備に突っ立っていた


あれだけ俺に固執してた癖に甘過ぎないか?

いや違うな、力を手に入れた驕りか

あいつ見てると段々腹立ってきたな


最大限、息を殺し気配を消す

武本の背後に潜み部分展開で脚力強化…

からの頭部に回し蹴…り、が炸裂と言いたかったけど

こいつの頭わやくそ硬ぇ!!


武本「なんだまだ動けんのか」


まるで知り合いに肩トントンされて振り向くかのようにこっちを向く

頭狙ったからって手加減なんかしてない、勿論全力で振り抜いた

全くもって理不尽過ぎる


武本「まぁいい、むしろいたぶるチャンスだ」


すぐ様距離を取る

武本は両手に集撃で霊力を集める

勿論それも通常の3倍の霊力が込められている


霊弾といい集撃といい、おっさんの話だと威力を変える技術はかなりの高等技術だったはず

俺も特殊な体質?性質?だからそんなに気にはしてなかったけど武本も簡単に使ってるじゃねぇかよ

見る限り詠唱なんかしてねぇし嫌になっちゃうなーもう!!

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