第62話

こうして準決勝のメンバーが出揃った

第1試合は俺対武本

万全な状態で戦えるのは助かる


武本と向かい合う

昨日見た時より保有霊力のは少なくなっていた


「ちょっと見ない間に随分変わったんだな」


武本「いや?何も変わってないが?」


「前のお前なら昨日みたいな事しないだろ」


俺の言葉に額の血管がピクリと動く


武本「花村といい、お前といい説教が趣味なのか?それとも勝てないから舌戦でもしようってか?」


「いや別に?ただ昨日の花村の姿見て何も思わなかったのかなって。武本きゅんってそんなこわーい人だったんだなって」


武本「まぁいいさ、君には感謝してるんだ!君が勝ち進んできたお陰でこうして公の舞台で君をボコボコに出来る。トーナメントを見た時は諦めてたんだけどねぇ」


まるで自分が勝つのが決まってるような言い方


「お前のその力自分で手に入れたもんか?」


武本「っ!!」


明らかにまともな力ではない事は分かった上でのカマかけ

反応してくれるだけで正解へと近付く


「ま、別になんでもいいけど」


話している間に試合開始の合図が告げられる


武本の体から霊力が溢れ出る

昨日よりも黒さが増していて、霊力量も増えてる

鬼龍院より多いだろう、これは

もはやどれだけあるのか分からない


武本の視線がこちらを向くだけで殺気をビリビリ肌に感じる

さっきも思ったけどなんで俺こんな嫌われてんだよ

授業で1回ぶっ飛ばしただけなのに…


武本「ほら、待っててやるからお得意の霊装展開してみろよ」


俺の得意技が何故か霊装展開になってる件について


「いや、いいです…」


態度と言葉遣いがあまりにもあんまりなので敬語になってしまう

これは日本人のさがだろうか


武本「まぁいいか。でも霊装展開しなかったから負けたなんて言い訳はやめてくれよ?」


話しながら3倍霊弾を撃ってくる

花村との戦いでも思ったけどタメのスピードが尋常じゃない

とは言えこの程度の攻撃に当たる俺ではない

次々と撃ってくる霊弾を軽く避ける


武本「流石に速いな」


3倍霊弾を構築するスピードをさらに上げて次々と撃ってくる

こいつ鬼龍院との試合見てなかったのか?


武本「鬱陶しいな…」


痺れを切らした武本はさらに巨大な霊弾を構築していく


武本「逃げ場がなくなったらどうだ?」


あまりにも隙だらけなので霊弾を2発


武本「当たる訳ねぇだろ!!」


武本はそれを避けながら構築を続ける


バァン!!


武本の背中に霊弾が直撃する

その衝撃に構築していた霊弾が霧散する


武本「んなっ!どこから」


わざと派手に霊弾を撃って避けさせる

その隙に見えないように遠回りさせた霊弾で攻撃


「そんなビックリすることじゃねぇだろ?霊装展開しなくて大丈夫か?」


武本「んなっ!!」


武本は顔を赤くして怒りを抑える


「霊装展開しなかったから負けたなんて言い訳はやめてくれよ?」


ふぅ、特大ブーメラン返し終えたぜ

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