第55話
第7試合は中村対2年女子
中村は霊装武器の玉と霊弾を上手く組み合わせた遠距離特化で奮闘していたが、相手は中村の上位互換のようなスタイルだった
最後は距離を詰められ負けた
今までほとんど話した事ないのに試合後急に「どうだった?」と聞かれたからお疲れ様とだけ言っておいた
第8試合は藤原対山本先輩
久々に見る藤原の戦い
霊装の霊力変換率は7割くらいまで上がっていた
ほかの皆がまだ3〜4割なのを考えると流石と言わざるを得ない
双剣による近接戦闘のレベルもかなり上がっていて1か月前とは別人のようだった
だが相手は山本先輩
2年の中でもトップクラスの実力だけあって藤原の攻撃を全て受け切っていた
藤原と互角、なんなら余裕さえありそうだった
それなのに試合はすぐに終わった
山本先輩が降参したのだ
まったく理由が分からない
事実、藤原は複雑そうな顔をしていた
それでも勝ちは勝ち
次はどちらが勝っても3年生との試合になるから頑張れ!
第9試合は3年男子対3年女子
先程の藤原の試合も見てなるべく2人とも手の内をなるべく隠すように戦っていた
藤原の事を脅威と認定したのだろう
そのせいで決め手に欠ける展開が続き時間内では決着はつかなかった
先生の判決も揉めたが、僅差で3年女子の勝ちとなった
第10試合、いよいよ俺の出番
相手は3年男子、というか鬼龍院のお付①だった
試合開始早々お付①は霊装展開する
俺は霊装展開せず一直線に突っ込む
お付①は霊装展開が完了してからようやく俺の姿がない事に気付く
でももう遅い
右手に霊弾を待機させお付①の頭に突き付ける
「俺の勝ちでいいすか?」
お付①「参りました…」
奇しくも武本と同じ様な結果となった
(思いっきり殴ったかどうかの差はあるけど)
ギャラリーに戻ると質問攻めにあった
藤原と目が合う
藤原「次、勝ちなさいよ。私も勝って待つわ」
それだけ言ってプイとそっぽを向いた
簡単に言ってくれるけど、それがどれだけ困難な事か分かってるくせに…
それに藤原の相手だってかなり強い
だけど俺は敢えて
「任せとけ」
と一言だけ呟いた
これで1回戦が終了した訳だが1年は5人が2回戦へと進出した
例年1年は良くて1人、2人行けば奇跡
それくらい2年との間に壁があった
運もあるとは言え5人というのは前代未聞
この結果は、個々人の頑張りもあるだろうがひとえに担任の指導の賜物だろう
大会初日は3回戦まで行われる為、生き残るのは僅か3名
1回戦の勝利を喜ぶ間もなく、すぐに2回戦が行われた
2回戦第1試合は2年首席対3年女子
2年首席と言う事は山本先輩より強いと言うことになる
一体どんな人物かと思ったら見た目は麗しい女生徒だった
髪型はショートボブで身長は150くらい
顔は可愛い系だが全身から元気オーラが溢れている
普通の学校ならテニス部とかにいそうな感じ
霊装武器はまさかの篭手
霊力変換率自体は5割程度なのにとてつもない動きで終始相手を圧倒し、殴り倒して勝利した
元の身体能力が凄いんだろうけどとんでもない脳筋だな…
2試合目の杉山対3年男子は特筆する所もなくあっさりと杉山が負けてしまった
とだけ言っておこう
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