第53話
翌日、校内選抜大会初日――
大会は2日に分けて開催され
1年8人、2年6人、3年8人の計22人が参加し、全学年ごちゃ混ぜのトーナメント方式によって行われる
2年と3年の首席はシードとしてトーナメントの両端に配置される
このトーナメントを勝ち抜くに当たって大事なのは実力以外にどこに配置されるかの運も大事となる
配置の決め方は校長が全員の名前が書かれたクジを引き、引いた順番に左から並べるというものだった
俺の名前は最後に発表された、つまりシードを除けば1番右
それが意味するのは2回戦で鬼龍院と当たるという事
こうして校内選抜大会が始まった
会場は体育館
試合で戦う以外の生徒は皆、2階のギャラリーでの観戦となる
この学校のギャラリーは普通の高校よりも広く、パイプ椅子を置いてもその後ろを人が通れるだけのスペースがある
生徒はパイプ椅子に座って観戦する
久々に入る体育館
修行してようやく感じられるようになったがかなり高度な結界が張られてる
流されてる霊力量が尋常じゃない
考えるまでもなく校長が貼ったんだろうけど、こんなのを片手間で発動してるなんて超級ともなると化け物だな…
そんなことを考えていると第1試合が始まる
3年女子対2年男子
試合のルールは1試合30分
戦闘不能になるか降参すれば試合終了
30分で決着がつかなかった場合は、先生達の判断により勝敗が決まる
序盤は2年男子の補充型霊装武器と陰陽術を交えた猛攻に3年女子は防戦一方だったが、それは3年女子の作戦で攻撃を完全に見切っていた
最後は呆気なく気絶させられ試合終了
3年の貫禄と実力を見せられた試合だった
2試合目は黒川対杉山
まさかの1年同士、しかも手の内を知っている者同士の戦い
普段仲がいいあいつらがどう戦うのかワクワクした…
のだが黒川の姿が一向に見えない
どうやら昨日の俺の一撃、あれでどうやら肋骨が折れていたらしく棄権となった
なんともいたたまれない気持ちになった
第3試合は桜井対3年男子
桜井は霊装の長杖に霊具を装備し、長杖から霊弾を放つスタイルで戦った
近接、遠距離、防御とバランスが取れた戦い方だったが相手が悪かった
流石3年と言うだけあって自力の差は大きく為す術なく敗れた
後から気付いたが相手は鬼龍院のお付その②だった
雑魚っぽい顔のくせに霊力は下級くらいあるし実力も確かなものだった
第4試合は武本対2年女子
武本の保有霊力が何かおかしい
色は濁っていて赤黒い霊力量もかなり多く、上級と言われても可笑しくないレベルだった
先生含めクラスの皆も気にしてない様だったので、俺も気にしないことにした
試合の方は一瞬で決まった
試合開始と同時に霊装展開する2年女子
展開が完了する前に武本は近付いて腹へと強烈な一撃
2年女子は嘔吐しながら気絶した
あまりにも鮮烈な試合で体育館内は静まり返ったが、校長が上手くお茶を濁してくれた
強さもそうだが武本は女子生徒の腹を思い切り殴るような性格ではなかったはず…
やはり何かおかしい
そうは思っても俺には何もする事は出来なかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます