第48話

集撃が出来た後、障壁と霊弾の練習をした

集撃が全ての基礎と言うだけあって、集撃さえ出来てしまえば障壁と霊弾はちょっと工夫するだけで出来た


山村「よし!じゃあ本格的な修行を始めようか」


そう言って連れてこられたのは、森の中にしては珍しい辺り一面何も無い更地だった


山村「今から俺の放つ霊弾を同じ威力の霊弾で撃ち落としてもらう」


おっさんはさも当然かのようにとんでもない事を言い放った


「そんないきなりっ!」


山村「戦場ではいきなりもクソもねぇぞ?そらいくぞ!」


霊弾が飛んでくる

速度は大体150kmくらい

すぐにぶつかるかどうかの所まで飛んできた

これではどんな威力なのか分からない

つい反射で避けてしまった


山村「避けるなー!!撃ち落とせって言ってんだろ!やめるか?あぁ?」


そんな事言ってもやる事が多すぎる


山村「おら次っ!!」


いつの間にか違う場所に移動していたおっさんが霊弾を放つ


声がする方を見る

霊弾が凄いスピードで向かってくる

威力を完璧に感じる事は出来ないから視覚情報から推測してそれよりちょっと強いくらいの霊弾を放つ


おっさんの霊弾と俺の霊弾がぶつかり合い消滅する


「よしっ!!」


喜んだのも束の間

背中に霊弾が直撃した


山村「おらー!よそ見してんなよー!!それにそんな無駄に霊力込めるなよ、すぐ霊力切れるぞ」


そんな事言っても360°どこからくるか分からない高速の霊弾を瞬時に判断して同じ威力で相殺なんてできる訳がないだろ!


特訓は俺の霊力が尽きるまでひたすら続いた


山村「まぁ最初はこんなもんか。じゃ、休憩」


特訓は1時間程度続いたが、それよりも遥かに長く感じた

集中力も持たないし体のダメージも馬鹿にならない

手応えなんて全くないし、そもそも出来る気がしない

それでも、どんだけ辛かろうがどんだけキツかろうが俺には言われた通りやる事しか出来ない


さぁ、今日1日の事を振り返って復習でもしようか

そんな事を考えながら地面にゴロンと転がった俺の耳に衝撃的な言葉が聞こえた


山村「よし!休憩終わり、次組手やるぞ」


「え?は?え?」


山村「組手だよ、組手。分かる?く!み!て!」


クソ、うぜぇなこのおっさん

組手の意味は分かってんだよ!

それが聞きたいんじゃなくて俺の体はボロボロなのに本当にやんのか?


視線を送るが全く意に介していないようだった

仕方ないやるしかないようだ

腹を括って立ち上がる


山村「よし!じゃあやろうか。取り敢えずどんなレベルか見せてくれ。あぁ、勿論霊装や陰陽術はなしでな?」


俺に霊装や陰陽術を使えるだけの霊力が残ってないのは分かってるはずなのにわざわざ言ってくる辺りかなりウザい


でも俺もタダでやられるつもりはない

あのとんでも担任との組手のお陰で防御だけではあるがそれなりのレベルには到達している自負がある


だから逆転の発想だ

担任と同じ動きは出来ないが、防御する時に嫌な動きは分かってる

それをやればいいだけ


気に食わないおっさんの顔面に1発叩き込んでやる!


ボロボロな体に鞭を打っておっさんの所まで走る

ある程度近付いたら右足で足払いをする

おっさんは冷静に後ろに軽く飛びそれを避ける


避けられた瞬間左足を曲げ、次の攻撃の体勢へと移る

曲げた左足を伸ばすと同時に地面を蹴り、右足を伸ばしておっさんの腹目掛けて蹴りを放つ


回避直後の硬直を狙った攻撃!

くらえっ!

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