第34話

別荘生活2日目

今日も海で遊ぶ

ただ今日は趣向を変えて水上バイクによるバナナボートやパラセーリングなど激しめのマリンスポーツがメインとなっていた

黒川は何故か1人だけサーフィンを練習していたけど…

ちなみにお昼は鉄板で焼いた焼きそばだった


3日目

流石に2日連続で海で遊んだので日焼けが凄いし体がしんどい

という訳で休憩込みで今日は宿題をやる日になった

黒川と杉山が俺に来て欲しかったのはこの日の為だったんだろうな


宿題を終えている俺と藤原はテストの時と同じく皆の先生役となった

意外だったのは宿題写させて、ではなくしっかり教わって解こうとしていた事だった

赤点ペナルティの効果は絶大である


4日目

今日は海ではなく川で遊ぶことになった

海と違い日差しは少ないし、風が吹くと涼しい

川魚を釣ってその場で食べる!みたいな事は流石に出来なかったけど、昼はBBQをしてとても楽しかった


5日目

今日が遊べる最終日だ

明日の朝には帰る予定になっている

最後なのに何故か別荘で皆でゲームをする事となった

この5日間で皆とより仲良くなれたと思う

黒川と杉山は言わずもがな…でもお前ら日焼けし過ぎじゃね?

藤原と桜井は秘密を共有した仲という事もあってよく話すようになった

花村は…相変わらずよく分からんが、皆と楽しそうに遊んでたし前よりは打ち解けられたと思う


昼までダラダラとゲームをしていたが昼食を食った後、藤原に声を掛けられた


藤原「阿部!」


「お、おう!いきなりなんだよ」


藤原「私と勝負してくれる?」


この勝負というのはゲームの事ではないのだろう

恐らくは霊装を使った勝負

ただ…


藤原「言いたい事は分かるわよ…あの日からそこまで日にちが経ってないのに勝てるとは思ってないわ。でも…今どれだけの差があるのかは知っておきたいの」


あの日というのは一学期最後の陰陽術の授業があった日の事だろう


「分かった」


藤原の目を見たらとても戦いたくないからやだなんて言える雰囲気ではなかった


別荘の中のある部屋へと案内された


そこは体育館ほど広くはないが、学校の教室より少し広いくらいの広さがあった


藤原「ここは陰陽術に対する結界があるから多少暴れてもなんともないわ」


流石と言うべきか、どんだけだよとツッコむべきか…


何にせよ俺程度が全力を出しても大丈夫みたいでよかった

一切手を抜くつもりはなかったから…

それが藤原の覚悟に対する誠意だと思うから


距離を取り向き合う


授業の時と違って先に霊装展開はしない

より実戦に近い形でやる為だ


他の皆は別室のモニタールームから見ている


「Ready…」


部屋の天井辺りから機械の音声が聞こえる

これが開始の合図か


「Fight!!」


藤原「かしこみかしこみ…」


藤原が霊装展開の為の詠唱を終える前に俺は駆け出す


「霊装展開」


走りながら霊装展開をする

本当は武本との戦いの頃には省略しても霊装に影響は無かったが、その事で武本を煽る事になりかねなかったのでやめた


藤原「嘘っ!!かしこみ申すっ!!」


慌てて回避耐性を取りながら詠唱を続ける

だが霊装を展開していない藤原など所詮ただの女子高生なのだ


素早く背後をとって肩に剣を置く


「俺の勝ち」

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