第8話
「おお!すげぇ!!」
正直今は青い空気のようなものの方が気になるが、せっかく黒川がやってくれたので少々大袈裟に驚いてみた
黒川「そんな驚かれるとこそばゆいな」
黒川は照れながら後頭部を掻いた
杉山「正晴には見えんかもしれんけど、俺らは霊力っていう力を使って陰陽術使うんじゃ。鬼龍院に殴られたのもこれと同じ陰陽術じゃろ」
いきなり下の名前を呼ばれて嬉しいけど少し恥ずかしかった
こいつら距離の詰め方が凄いな
「なぁ、1つ教えてほしいんじゃけど霊力ってどんな風に見える?」
黒川「なんて言うたらええんかな?んー?」
「もしかして青い空気みたいなやつ?」
黒川「そうそれ!!って?あれ?見えるん?」
「いや鬼龍院のは見えんかったけど、さっきは黒川の体から青い空気が箸に向かって飛んでくの見えたんよ」
杉山「マジ?」
「マジ」
黒川「あべちゃんヤバいわ」
「え?なんで?」
杉山「マジでやべぇじゃろ」
「怖い怖い怖い。何が?」
杉山「普通、霊力見えるようになる為には、3年くらい修行せんと駄目なんよ」
黒川「それでも人それぞれやけどな。俺なんかはポンコツやから5年かかったわ」
杉山「そう。それがたった一瞬で見える様になるなんて大分ヤバいわ、天才って呼ばれる人でもそうはおらんで」
黒川「まぁーでもこの学校に入学出来たくらいやし素質はあったんやろ!」
「どうなんじゃろう?でも確かにそれはヤバいな…」
でも俺はこの霊力っていう青い空気もっと昔にも見た気がするんだよな…
その後、俺達は解散しそれぞれの部屋に帰った
黒川は203号室で、杉山は202号室
て事は201号室と204号室には同級生の他の男子がいるって事か…
黒川と杉山がその2人も誘ったけど来なかったって言ってたな
俺はさっとシャワーを浴びてベッドはまだ片付いていないのでリビングのソファーに横になる
本当に今日は色んな事があった…
入学する高校が変わって、校長に呼び出しされて、ツインテールに絡まれて、ヤバい奴にも絡まれて…
でもツインテールは面白い奴だったし、友達も2人出来た
優しい先輩もいるし、何より細見先輩がいる
それだけでやる気が湧いてくる
霊力とか陰陽師とか分かんないけど、正直言うとワクワクしてる自分がいる
ここでならこの学校でなら夢にまでみた
”青春”ってやつを味わえるかもしれない
ワクワクした俺はなかなか眠れず
ようやく寝れた頃には空が明るくなっていた
――翌朝
ピンポンピンポンピンポンピンポン
「うるせーなー」
ピンポンピンポンピンポンピンポン
「はいはい」
睡眠を邪魔されて少しイライラしながらドアホンに向かう
「はーい?」
黒川「お前何やってんだ」
「はー?何って?」
ドアホンの画面に映る黒川は妙に焦っていた
黒川「時間みろ!時間!」
「んー?時計とか持ってねぇもん」
黒川「もう9半時だ!ボケ!!担任めちゃくちゃキレてたぞ」
そこでようやく我に返る
空を見る
めちゃくちゃ明るい
時計が無いということは目覚まし時計もない
俺はいつもは目覚まし時計と携帯で起きている
携帯は?
そいやぁ落としてからそのままだった…
焦りにより血圧が上がっていくのが分かる
ヤバい!ヤバい!
「黒川!すぐ行くって言っといて!!」
黒川「連れてこいって言われてるから待ってるよ」
黒川、お前…
本当にいい友達を持ったぜ
通常8時50分までに登校し、9時から朝のHRが始まる
HRの時に俺がいなかったので、担任がブチ切れ黒川が犠牲となって俺を起こしに来てくれたらしい
ずっとチャイムを鳴らしてたけど俺は10分くらい起きなかったんだと…
そうこうしてようやく学校に着いたのは10時
1時限目の授業は9時半開始なので、既に30分遅刻している
1時限目は身体測定だったので放課後にやる事になった
勿論担任はブチ切れていたので2人とも巨大拳骨を喰らった
俺の携帯を無くしたのはアンタのせいでもあるんだけどな??
それに黒川は完全にとばっちりで可哀想だった
マジごめんな?
後でなんか買ってやろう
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