第7話

色々あったけどやっと自分の部屋の前まで辿り着いた

勿論、部屋のロックも指紋認証だ


ガチャ


ドアを開けるとそこは…


新築とまではいかないがめちゃくちゃ綺麗な玄関が広がっていた

廊下にトイレ、ともう1つ部屋があるな

そのまま奥に進むとリビング!!

キッチンまである

しかも風呂は自動でセット出来る


まさに夢のような家!!

もう水とあっついお湯を同時に出しながら風呂をセットしなくていいのか

しかも学生に1LDKの家って…

本当に凄い学校に来てしまったかもしれない


感動に打ち震えながら廊下にあった部屋を開ける

え?

そこには大量のダンボールが置いてあった

慌ててダンボールの1つを開けると…

俺の服だ!


いつの間に…

今朝出てくる時は荷造りしてる雰囲気なかったよな…


ま、いっか!


俺は考える事をやめた


これで必要な物を買わないといけないという心配はなくなった

俺は一息ついてリビングのソファーに寝転がる


この時の俺は何も知らなかったから驚かなかったが、この家…

ソファーにテーブル、テレビ台にテレビ

本棚も勿論、キッチンにはフライパンや包丁、炊飯器に電子レンジ、と

生活に必要な家具や家電、ありとあらゆる物が新品で用意されていたのだ

家賃を除いても、1人につき100万以上は使われている


そうとも知らず

俺はソファーの上でゴロゴロしながらテレビを見ていた


ピンポーン

ピンポンピンポン


聞き慣れない音に最初は戸惑ったが明らかに家の中から音がする

音の方に近付くとテレビ付きドアホンがあった

うちはインターホンしかなかったのに…


複雑な想いでボタンを押すと

画面に男子生徒の顔が2つあった


男子生徒①「おーい!一緒に飯でも食おうぜ」


彼らの顔は教室で見た気がする

わざわざ誘いに来てくれたのか…


男子生徒②「おーい!どうすんの?やめとく?」


感動していたら無視したと思われてしまった


「いくいく!すぐ用意するけん待っとって」


慌てて用意を始める

こういう時は服はどうしたらいいんだ…

私服にしてもまだダンボールの中だし…

悩んだ結果、俺は制服で行く事にした


この寮は各部屋に調理器具を万全に用意しているにも関わらず、食堂が存在する

食堂は食券制で、日替わり定食、カレー、ラーメン、うどんの4つの中から選べる

勿論タダだ

食券を買う(タダだけど)のが初めてだった俺は前の2人を真似した

その結果、押すボタンまで真似してしまってラーメンになった


カレーを食べたい気分だったのに…

まぁでもこれから毎日食べれるからいいか


俺達は席に着いた


男子生徒①「くっふっふっ」


男子生徒②「あっはっはっ」


「いつまで笑ってんだよ!!」


俺が制服で出ていったのが面白かったらしく2人はここまでずっと笑っていた

食堂にも制服を着ている者は、俺以外おらず浮いていた


男子生徒②「いやいや!だってよ…」


「じゃあもうええわ!帰る」


男子生徒①「ごめんって!せっかく同じクラスになったんだ、お前と仲良くしたいんだよ」


男子生徒②「つってもクラス1つだけどな。俺の名前は杉山すぎやま良太りょうた。お前の前の席だ!よろしく!」


男子生徒①「俺は黒川くろかわ宗介そうすけ。ツインテールの隣の席だ!よろしく!」


こいつらも藤原のことツインテールって呼んでんのか


「俺は阿部正晴。藤原の反対側の隣だ!よろしく!」


黒川「藤原?」


「ツインテールの事」


そう言うと2人は顔を見合せニヤリとした


杉山「やっぱりお前らそういう感じなの?」


黒川「どこまでいった!?ていうか元々知り合い?」


「だー!もーちげーって!!」


俺はラーメンを啜りながら今日の出来事を説明した


黒&杉「「ふぅーん」」


2人とも納得してはくれなかった

これ以上この話題をされるのはめんどくさかったので鬼龍院の話をして話題を逸らした


黒川「まじ?あべちゃんあの人に目付けられたんか」


黒川の中で俺の呼び名はあべちゃんに決まったらしい


杉山「よく無事だったな」


「山本っていう先輩が助けてくれたんよ」


黒川「へぇー、良い先輩がおるんじゃな」


「それより鬼龍院がなんもしてないのに俺2発くらい殴られたんやけど、何あれ」


杉山「あーそら陰陽術じゃわ」


「えっ?アレがそうなん?何も分からんかったわ、急に腹殴られたみたいになって…」


黒川「あべちゃんは一般人やからしゃーないわ!せや!俺らも簡単なやつなら使えるで」


黒川がそう言うと、黒川の体をなにか青い空気?のようなものが包むのが見えた


その青い空気のようなものが黒川の体から放出され机の上にあった箸を包みこみ少し浮いた

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