第6話

寮についた


寮?え?これが?

いや…まさか


見た目は完全に普通のマンション

数えてみたら10階建てだ

男女別って事はもう一個これがあるということ

どんだけ金持ってんだこの学校は…


何かの間違いだろうと恐る恐る近付いた

そこにはしっかりと「陰陽寮」と書かれていた

しかもセキュリティも最新で、指紋認証によるオートロック方式を採用している


俺は指紋登録した記憶はないんだけど…

右手で指紋認証を行うと普通にドアが開いた


待合室?というか玄関?も広い

1階には部屋はなく殆ど共有スペースとなっていた


俺の部屋は確か…205号室だったな

階段で登ろうとしたらエレベーターを見つけた


やべぇよエレベーターまである

しかも2個!!やべぇ!!

もうほぼホテルじゃんホテル!

勿論ホテルなど泊まったことはない


感動していたら誰かと肩がぶつかった


??「痛ぇなぁ!」


「あっ、すいま…」


??「んだ?おめぇはよぉ?」


謝ろうとしたら厳つい顔の人に胸倉を掴まれめちゃくちゃキレられてる、普通に怖い


??「あぁ?見た事ねぇ顔だな」


お付①「新入生ですよ!今日入学式があったはずっす」


厳つい顔の人の横にいたお付きの人①が話しかける

この人達は先輩なのだろう


??「ほぉ…新入生か。でもおめぇ俺の事知らねぇ訳ねぇよな?」


お付②「あの鳳凰院にも負けない鬼龍院グループの御曹子、鬼龍院きりゅういん亜久斗あくと様とはこのお方だぞ!!」


反対側の横にいたお付きの人②が説明してくれた


「いや、知らないすけど」


お付①「あぁん?」お付②「知らなかったら」お付①「許されるとでもぉ?」


お付きの人達が交互に威圧しながら吠える

なんかちょっと面白い


「いや、だから謝ろうと…したって言ってんじゃ…」


鬼龍院「調子乗んなよ?」


「ぐっ!!」


急に腹に思いっきり殴られたような衝撃を感じた

でも、鬼龍院は何もしていない

ポケットに両手を突っ込んだまま立っている


「何だ…?」


お付①「ハハッ!」お付②「まさかこいつ!」お付①「見えてない!?」お付②「おーちこぼれー!!!」


鬼龍院「無能の分際で何でこの学校にいる?雑魚が!!」


「ぐふっ!」


まただ、またこの感覚

普通に殴られてるのと変わんない痛みを腹に感じる

一体何なんだこれは何が起きてる?


??「ちょいちょい鬼龍院先輩それ以上はヤバいですってー!」


別の声が聞こえてきた


鬼龍院「んだよ!流星、邪魔すんのか!!」


流星?「いやいや新入生は明日検査ですからー?あんまりボコボコにすると目付けられますよ?先輩だってそれは嬉しくないでしょ?」


鬼龍院「チッ!まぁいいそいつにはよく言い聞かせとけよ!」


鬼龍院とお付き①②は去っていった


流星?「初日から鬼龍院に目付けられるなんて災難だったね」


流星と呼ばれた先輩が手を差し伸べてくれた


「ありがとうございます。何なんですかあの人達は…」


流星?「へ??まじで言ってる?鬼龍院グループって知らない?」


「知りませんけど」


流星?「マジ?じゃあ鳳凰院グループは?」


「知りません…何なんですかそれ」


流星?「君やっばいね!!鳳凰院グループってのはさ、ホテル経営で日本最大手のグループなんだ!ここの寮だって鳳凰院グループの援助で出来てるんだよ!」


「へぇー」


流星?「へぇーて。興味無さすぎないか?んで、鬼龍院グループは輸送関連の日本最大グループ。鬼龍院グループは鳳凰院グループに対してライバル心を持ってるんだ」


「はぁ…」


流星?「はぁ、て。で鬼龍院先輩はその鬼龍院グループの御曹子。校長先生も鳳凰院グループの御曹子なんだよ」


「凄いんすね」


流星?「そう!2人とも凄いんだよ!でも、両グループとも陰陽師としても名家で、歳も近い事もあって何かと比べられてきた。でもいつも校長先生の方が優秀なせいで鬼龍院先輩はあぁなっちゃったんだ」


所謂僻みってやつか


流星?「3年生はほぼ鬼龍院先輩の配下と言ってもおかしくないから下手にちょっかい出したら駄目だよ!!」


「わざわざあざますっ!えっと…」


流星?「あぁ!僕は2年の山本やまもと流星りゅうせい。流れる星でりゅうせいだ!よろしく!」


「俺は1年の阿部っす!よろしくお願いします!」


鬼龍院先輩は怖い人だけど山本先輩みたいに優しい人もいると分かって少し安心した

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