ね、悠斗。あーーんして
次の日俺は学校に向かう。学校がなんだか騒がしい。そりゃそうだろうな。あんなことが拡散されてたらこうなるよな。
ドスッ俺は席に座る。
「なぁ知ってるか! 悠斗! 龍二の奴のこと」
俺の知り合い……まぁ悪友かな……の大吾が言う。
「知ってるよ。まぁあいつも終わりだな」
俺は言った。
「いやでもさ。あいつ逃げ切るつもりみたいだぜ」大吾が言う。
「逃げ切る? どうやって?」俺が不審そうに聞いた。
「なんでも教師たちは俺の味方だって言ってたぞ。あいつ。教師が俺たちを守ってくれるって」
「え? は?」なんだそりゃ……俺はキレそうになる。
ザワザワ……龍二がクラスに入ってきた。一同の目が龍二に集まる。
「イエーーイ。全く効いてませーーん」と龍二は集まる事前にピースサインをした。
カチン! 俺はまたキレそうになった。は? 効いてませーーんだと? 誰がお前の心配をしたよ。俺が心配してるのはお前に殴られた男子生徒だけだよ。本気で苛つく。マジでこいつ地獄に落とすわ。
「なぁ。悠斗。俺さ通学時にマスコミみたいな人から名刺もらってさ」
大吾が名刺を俺に見せてきた。それは◯◯新聞社の◯◯と書かれていた。
「なにか知ってることがあったら連絡して欲しいって言われて」
「お前それ記者から声をかけられたこと誰にも言わない方がいいぞ」俺は言った。
「えっ? なんで」
「学校側も隠蔽するだろうからな。お前がチクッたって疑われたらどんな報復されるか分からないぞ」俺は言った。
すると大吾は目にも見えないほどのスピードでその名刺を隠した。自分の利益にだけは目ざとい奴だ。
ギャハハハ!! 龍二のバカ笑いが聞こえる。俺は龍二を睨んだ。ギャハハハと取り巻きと笑う龍二。ここが千載一遇のチャンスだ。絶対に潰してやる。
大吾……こいつはビビリだ。卑怯者だ。今俺に話しかけてるのは龍二の立場が危うくなったからだ。こいつは俺がイジメられている時に俺を裏切り龍二の味方をしていた真正のクズだ。こいつも潰しておくか。
「大吾。お前もあの動画に出てたよな」俺は言った。
「えっ? 出てないよ!」
大吾は焦りながら言う。
「いや、嘘つけお前の顔が映ってるバージョンの動画もあったぞ」俺はカマをかけた。
「えっ? うそっ!」大吾は焦る。
「お前終わったな」俺らニヤリと大吾見て笑った。
「ちがっ! あれは龍二くんにやれって言われてやったんだ! 自分からじゃない!」
大吾は小声ながらも焦りながら俺に言う。
「あっ……」
「お前の個人情報とセットでSNSに出たら一生ネットの晒し者だよな。お前就職とか無理じゃね? 大手とか絶対無理だな。大手企業ほどそういうヤバイやつを弾くの凄いから」
俺は言う。まぁここはハッタリだ。
「う……あぁ」大吾は効きまくっていた。
「これからどうするんだよお前。龍二は親父の建設業を継げばいいだけだから。だから、あれだけ笑ってられる。けど、お前は違うだろ?」
俺は大吾を揺さぶる。
「うぅ……」
「おーーい! みんな今から体育館に集まれー」
担任の教師が俺たちに声をかけてきた。
俺たちはゾロゾロと体育館に集まる。
俺たちは教頭より体育館で先程のSNSの炎上の話を伝えられた。まぁ学校側でなんとかするからマスコミ関係には絶対に口外するな! との内容だった。子供たちに隠蔽に加担させるとはまぁ酷い学校だと思う。
教頭の話が終わり体育館からゾロゾロ出ていく俺たち。虚勢を張っているのか龍二たちのバカみたいな笑い声が聞こえる。こういうバカってなんでTPOわきまえず大声なんだろ。人に迷惑をかけて怒られない自分カッケーって思ってるんだろ。バカだから……駄目だ駄目だ……日頃の恨みがつらつらと出てきて心が暗黒モードになる。それもこれもあのバカ龍二と取り巻きがいなくなれば良いだけだ。
キーンコーンカーンコーン……授業が終わる。俺は葵と一緒に校門から出た。
「なんかさぁヤダよね」葵が言う。
「あぁ……」暗い表情で俺は答えた。
「なんか意味不明じゃない? あんな人を殴ってるクズなのになんでみんなあんなに庇うんだろ」葵は言った。
「ビビってるんだろ。イジメが明るみに出ると教師の責任が問われる。ま、当然だな。しかもあれは一方的な暴力だよ。龍二さぁあいつ教師と仲が良いんだよな。で、龍二の言い分を先生もそのまま聞いちゃう。俺はイジメてませーーん。ちょっとした喧嘩でーーす! そうか! じゃあ信じるわ! みたいな」 俺は龍二と先生のモノマネをする。クスッと葵が笑った。
「あるあるだよね。イジメっ子が先生と仲良いの。先生にはいい顔をして、裏で弱い立場の人を虐めてる。どこにでもいるんだろうね。そういう人」葵は言う。
「あぁそうだな……あいつは何とかしないと……」俺は言った
「コンビニに寄っていかない?」葵が言う。
「ん? 買い食い?」俺は聞く。
「コンビニ甘味処でスイーツだよ。スイーツ」葵は言う。
「フードコートだろ」俺は笑った。
俺たちはコンビニに入った。そしてスイーツコーナーに行く。
「ねぇはんぶんこしない? 流石に全部食べると太っちゃうから」
とコンビニスイーツを手に取りながら俺の方を見て笑顔で葵は言った。
「はんぶんこのかわりばんこで、お互いにあーーんして食べるの」葵は言う。
ん? どういうことだ? つまり俺と葵が向かい合って俺がスプーンでスイーツをすくったらそれを葵の口にinするってことか?
逆に言えば葵が俺にスイーツを食べさせてくれるってことか? お互いがお互いに食べさせるの?
まさに究極の介護状態! あーーんとあーーんと相互作用。クロスあーーんがここに完成した。
ピッ!
「一点で356円になりまーーす」店員が言う。
俺と葵は一緒にお金を出した。
「悠斗くんあーーん」
と言いながら葵は俺にスイーツを食べさせてくる。
「恥ずかしいって」俺は言う。
「駄目だって! これちゃんと乗ってくれないとこっちまで恥ずかしくなるから!」
葵は照れながら怒る。
「はいあーーん」
再度葵は俺の口にスイーツを入れる。甘い。
「んーーーー!! 甘すぎだろ。葵の愛情かけすぎじゃないのか」
俺は言う。プッっと葵は笑った。
「ほらあーーん」俺は葵にスイーツを食べさせる。
「んーーーーー!!! 美味しい!!」
テーブルをドンドンさせながら葵は味わった。
俺たちはスイーツを食べ終え雑談をしていた。話題は当然SNSの炎上の件だ。
「龍二あいつなんとかしないとな……」
俺は言う。
「これ使えないかな」
と良いながら葵はスマホの画面を俺に見せてきた。その動画の内容は……
「良くやった……葵……これで龍二は終わりだな」俺はニヤリと笑う。
◇
どんどん復讐していきます。★お願いします。
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