第23話 峰本さんとデート⑤ 峰本家

 峰本家は想像以上に大きかった。

 

「ここが峰本さんの家?」

「はい」

「これは現実?」


 俺が口を開けて驚いていると峰本さんに「ですね」と笑われた。


「そんなに驚かれるとは思ってませんでした」

「そりゃあ、驚くだろ。こんなお城みたいな家・・・・・・」


 峰本さんの家は西洋風の煉瓦造りのお城みたいな家だった。

 お嬢様なのは知っていたけど、まさかここまでとは想像もしていなかった。


「せっかくなので少しあがっていきませんか?夕食ご馳走しますよ?」

「え、いいよ。そんなの・・・・・・」


 正直、敷居が高すぎて入るのも憚られる。 

 

「今日は両親がいるので、紹介したいと思ったのですが・・・・・・そうですか・・・・・・」


 両親がいるなら、尚更行けない。 

 

「うん。ごめん」

「いえ、今日は本当にありがとうございました。楽しかったです」

「こちらこそ。一ヶ月間ありがとう。すごく助かった」

「それなら、よかったです。また、デートできるのを楽しみにしてますね!」


 峰本さんは少し前屈みになってニコッと笑った。


「そうだね。じゃあ、また学校で」

「はい、また学校で」

 

 俺に一礼をすると峰本さんはお城みたいな家に入っていった。

 それを見送ると俺ら自分の家へと歩き出した。途中でスーパーに寄って夕飯を買って帰ることにした。

 なんだかんだ久しぶりの異性とのデートに楽しかったと思っている自分がいた。

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