第9話 最初のヒロイン
扉の先には、周りに花や草木が生えて見渡せるぐらいの広さの庭園になっていて綺麗に管理されている。
中央には、噴水があり周りには、色取り取りの花が咲き誇って
「綺麗だな」
聖女さん達がが、この庭園を管理してるのかな?
周りを見渡して聖女さんが言っていた女の子を探してみると角の方の木の影に白いワンピースを着た女の子がうずくまっているのが見える。
何してるんだろう?
女の子に近ずいて行き
「どうしたの?」
するとこちらを振り向くと腰ぐらいに伸びている聖女さんと同じピンク色の髪がなびいて青い瞳がこちらを見つめてくる。
「ことりさんが落ちちゃったの」
女の子は、悲しそうな顔をしていて覗き込んで見てみると女の子の両手には、力なく動いているヒナがいて弱々しく鳴いていた。
上を見上げると三メートルぐらいの高さの木の枝に鳥の巣が見えて落ちたヒナ以外の鳴き声も聞こえてきた。
「どうしよう。ママに治してもらわないと」
と言っているけれどもオロオロしている、
そういえばさっき聖女さんで覚えた治癒魔法を試してみよう。
「ねえ、君その小鳥さんかしてみて」
「え、うぅん」
両手をヒナの前に持っていくと女の子の両手からもらうと
「ありがとう」
ヒナを両手を包むようにもつと
あれ、どうやって魔法を使ったらいいんだ?
ひとまずヒナが元気になるのをイメージして手のひらに力が流れるようにイメージしていくと暖かい光が手から溢れて来ると中でゴソゴソしてきた。
▶︎レベルが上がりました。
▶︎治癒魔法のレベルが上がりました。
魔法を使ったらレベルが上がったよ。
手のひらを開けると中から元気に鳴っていのヒナが出てきた。
「わーすごい。ママにみたいだ」
女の子が飛び跳ねながら嬉しそうにしている。
よかった。
うまくいったよ。
でも何だか体がだるいな。
これが魔力を消費したためかな?
「ねえ名前教えてくれる。僕は、ユートきみは?」
女の子がはしゃぐのをやめて
「わたしメアリー」
「メアリーちゃんよろしくね」
メアリーちゃんに微笑むと
「わーきれー」
いやいや頬を赤く染めながら綺麗なんて言われてもな。
「ユートちゃん、ユートちゃん、ことりさんどうしよ」
「ちょっと待ってて」
背中にかけていたジャケットのポケットにヒナを入れて少し木から離れて助走を付けて木に向かって思いきってジャンプして木を蹴って二段とびをすると勢い余って鳥の巣がある枝よりも飛び上がり過ぎて枝々に突っ込んで行ってしまった。
▶︎跳躍のレベルが上がりました。
▶︎身体強化のレベルが上がりました。
「ユートちゃんだいじょうぶ?」
「うん、大丈夫」
下で見ていたメアリーが、声をかけてくれると慎重に巣がある枝に降りていくと巣から他のヒナが元気に鳴っていた。
巣までたどり着くとポケットからヒナを取り出して戻してやると
「もう落ちるなよ」
枝から飛び降りると思ったより着地した衝撃が強くて足が痺れてるとメアリーちゃんが近ずいて抱きついてくると
「すごーい。ユートちゃんすごーい。あんなたかいとこいったりおりたりすごーい」
「ありがとう」
この子スキンシップ激しいな。
子供ってこんな感じだったかな?
「あ、かおからちが、でてる」
頬を手で拭ってみると指に血が付いていた。
枝に擦れて切れたかな。
「ユートちゃんじっとしててね」
メアリーが両手で顔をつかんで顔を近ずけていきメアリーが頬にキスをされた。
え、え、何でキスしてきたの?
少しして頬からメアリーの唇が離れると
「ママがね。パパのケガをこうやってなおしてたの」
もう一度手で頬を拭ってみると今度は、血が付いていなかった。
あの二人は、子供の前でいちゃつくなよ。
子供がマネしてるじゃないか。
それにしてもこの子、治癒魔法が使えたんだ。
まだメアリーのステータスを観ていなかったな。
名前がさっき教えてもらった通り『メアリー・オルレアン』で年齢が4歳でレベルがまだ2しかない。階級で次女になってるから姉がいるんだろな。
さっき頬の傷が治った通りスキルで『治癒魔法Lv.1』と『礼儀作法Lv.1』を持っていてギフトで聖女さんと同じ『神託』を持っていて 『
「ユートちゃんあそぼ」
両手を取って回り出すと
「あらまー。もうすっかり仲良しさんになったようですね」
いつの間にかレオと話し終えた聖女さんが来ていて頬に手を当てて近ずいて来ていた。
「あっ、ママ。ユートちゃんすごいのピカーしてピヨーてしてたの」
「そうなのよかったわね。メアリーもうおうちに帰りましょうね。ユートくんも一緒におうちにいらっしゃい」
「ユートちゃんもいっしょにやったー」
メアリーがまた抱きついてくる。
「お世話になります」
「いいのよ。遠慮なんかしなくていいのよ」
「ユートちゃんおてて、ママもおてて」
メアリーが聖女さんと自分の手を取って
「ふふ、さあ帰りましょうね」
三人並んで手を握ってオルレアン家に目指して庭園を後にした。
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