第23話 「来栖さん」
(蒼汰)
彩乃先生の車を見送り、俺は
二人は疲れ切っていたが、俺の足取りは軽い。スキップ出来そうだ。
「
「ふっふっふ。まあね」
ん? 美咲ちゃんなどと気安く呼ぶな。お前は天野さんと呼べ……。
「でもまあ、疲れたけど今日は良い日だったな……やっぱ体操着は神だわ」
航は何か思い出したのか、ニヤケ顔になっていた。
「おっと、航先生。どの娘が宜しゅうございましたかの?」
「うむ。彩乃先生かのう」
「おい、それは別枠」
「そういう事ならば、二組の……が意外に。あと四組の……」
「航。お前あの状況の中で、どうやってそんなに見て回った?」
「こういう事に関して労は
「流石は航先生。感服致します」
「俺は、同じグループの……」
おっと意外なところで、自称硬派の龍之介が話に入って来た。
「これはこれは、龍之介師匠もお目が高い」
「いやいや、蒼汰殿には敵いませぬ」
その後も俺たちは「お胸談議」に花を咲かせながら家に帰った。
男なんてこんなもんだ。
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家に帰って速攻でシャワーを浴びた。
もちろん、美咲さまから頂いた『スペシャルギフト』の感触が残っている右腕は洗わなかったぞ。
もう一生洗わないかもしれない……。
部屋に戻ると、玄関が開く音がした。来栖さんが来たようだ。
とりあえずソファーに横になって一息。
今日の出来事を思い出す。
もちろん、思い浮かぶのは美咲ちゃんの事ばかりだ。
時々、結衣の水色のブラとかが混じるが、それは仕方が無い。
今日は朝からずーーーと一緒にいた。
美咲ちゃんとひとときも離れることなく一緒にいた。
二人きりの時間もかなりあった。
あんなことや、こんなこともあった。
家に帰ってきて、
普段は一人でいても平気だが、今日は凄く寂しい。
家に帰って来ても、美咲ちゃんが傍にいて欲しい。
今もこの家に美咲ちゃんがいれば良いのにね……。
『蒼汰君。家でも一緒だね。ウフフ』
『美咲ちゃん。もっと近くにおいでよ』
『蒼汰くん』
『美咲ちゃん……』
うひょー! 堪らない。
思わずジタバタしてしまう。
会いたい。会いたい。会いたい。
「美咲ちゃんに、会いたーい!」
おっと、声が出てしまった。落ち着け俺。
今の声、来栖さんに聞こえてないよね?
いかん、もう少し大人しくしよう。
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「上条さん、お食事が出来ました」
階段下から、来栖さんが呼んでいる。
おっと、もうそんな時間か。今日のご飯は何だろう。
来栖さんは見かけは不気味だけれど、料理上手なんだよな。
今日のお昼のお弁当も美味しかった。
そういえば、美咲ちゃんの手作り弁当も食べて見たかったなぁ。
いかん、また美咲ちゃんの事を思い出しちゃったよ。
やっぱり、今日の事を思い出すとウキウキしちゃうね!
勢いよく部屋を出て、階段を一気に下ってダイニングに直行。
ウキウキが止まらない!
「あっ! 来栖さんこんばんはー!」
「こ、こんばんは……」
「そうそう。お弁当有難うございました。美味かったです!」
「え、ええ。そうですか。良かったです」
「今日はここで食べても良いですか?」
「は、はい? ……ええ、もちろんです」
来栖さんが何だかキョトンとしてるが、まあ良いや。
今日の俺はとっても機嫌が良いのだ。
「頂きます!」
「ど、どうぞ……」
来栖さんは、時々こちらを確認しながら他の仕事をしている。
今日は
あの容姿で摺り足で移動していく姿はちょっとホラーだけど、
とにかく今日のご飯も美味しい。容姿から醸し出される雰囲気とのギャップが凄いな。
あまり話したことは無かったけれど、今日は話したい気分だ。
楽しかった遠足の余韻かな。
「あ、来栖さん。今日のご飯も美味しいです」
お、振り向いたら、何かよろけたぞ。大丈夫か?
「あ、有難うございます……。今日はお疲れかと思いましたので、疲労回復効果が高いと言われる食事にしてみました」
「そんな事まで考えて作ってくれてるんですね」
おお、来栖さん凄ええ。何かちょっと感動したぞ。
「いつもありがとうございます。俺、食事に気を使ったこと無いから、ちょっと感動しています」
「そ、そんな。蒼ぅ……上条さんに、そう言って頂けると嬉しいです」
「来栖さんは物知りだし、落ち着いていて大人って感じですね」
「いえいえ、そんな事は……」
「そういえば、来栖さんって何歳なんですか?」
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