7 久しぶりの学園

 久しぶりに学園に来ました。ずっと来ていたのに、とても懐かしい気持ちになりますね。ですが…生徒の方々にとても見られるのですが、私の姿がそんなにおかしいのでしょうか?1週間休んだことで、気が抜けていたんでしょうか?


「ソフィア様!お身体は大丈夫なのですか!」

「ええ、私は大丈夫ですよ。私、何か変ですか?」

「いいえ、そんなことはありません!ソフィア様はいつもとても美しいです。皆さんは1週間も休んだソフィア様のことが気になったのでしょう」


 そうでしたか。マリア様の話を聞いて納得しました。確かに、私の家は有名ですものね。そんな私が1週間休んでいたら、気になってしまうでしょう。


「なるほど、そう「ソフィア!」…はぁ」

「ソフィア、お前のせいで、俺らに仕事が回ってきたんだぞ!」

「生徒会のことですか?それなら元々殿下たちがするべき仕事であったので、いいではありませんか」

「口の減らない奴め。まあいい、今日はお前の罪の証拠を見つけてきたぞ」

「証拠ですか…」

「ああ、お前はマリアに嫌がらせをするために、ブルーム男爵家に商会が行けないようにしただろう」

「いいえ」

「証拠は全部揃っているん…いいえだと。お前、まだしらを切るつもりか?」

「いいえ、実際に我がローズ家は一度も商会に対してブルーム男爵と取引をするなと言ったことはありませんよ」

「実際にそうなっているんだ。それにそんな噂もあるのだぞ!」

「不思議なこともあるものですね」


 事実、お父様はブルーム男爵と取引をするなとはおっしゃっていない。取引したところとは取引しないと言っただけだ。実際にお父様はペーロ伯爵、ファイサン侯爵、モーノ伯爵の三家にも同じように商会に話しています。

 

「とぼけるな!」

「とぼけてなどいませんよ。それに、商会には同じようにあなたの後ろにいる御三方の家にも連絡をしていますが、困っていないのでしょう?」

「ふざけやがって!」


パシッ


 殿下が私に向かって手を伸ばしてくるので、払います。


「王族に手を出していいと思っているのか!」

「先に手を出そうとしてきたのは殿下の方ではありませんか。それに、私は陛下に許可をいただいていますので、問題ありません」

「訳の分からないことを。父上がそんなことに許可を出すわけがないだろ!」


 払われたことに驚いたような顔をした後に、手を出そうとした自分を棚に上げて文句を言ってくるのですから困ったものです。事実を言っても信じてもらえませんし、どのように対処しましょうか。


 そう考えているうちに、今度は殴りかかってきました。ですが、私は公爵令嬢です。護身術くらいは嗜んでおります。第一王子は第二王子殿下に負けてからというもの、長らく武術をサボっておられました。そのため、結果は目に見えております。殿下ぐらいの速さなら殴られる心配はありません。

 なので、鉄扇で腹を突きます。これは武器にもなり、使わなくても鍛えられるという優れものです。見た目も可愛くアレンジされており、普通の扇と見た目は変わりません。


「ぐはっ」

「王族として、護身術くらいは最低限学ぶべきだと思うのですけどね」

「うるさい!うるさい!俺も護身術くらいできる。調子に乗るな!」


 殿下は剣を手に取り、こちらに向かってくるのですが、そんなことをしたら、影が動くに決まっていますのに。


「ぐはっ」


 やっぱり。影の方達が出てきましたね。殿下を抑えている人は王宮に勤めている庭師のローアでしょうか。それと、私の側に来てくれたのはニアですね。


「離せ無礼者!お前たちは何者だ!公爵家の者か!」


 この人、本気で言っているのでしょうか?


 

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