第50話 「四人の秘め事」
サンドランド国は国土の大半を砂漠が占めているにも関わらず、そこから産出される金や宝石といった鉱物資源が豊富な国で、近隣諸国の中では極めて豊かな国である。
その首都の
金装飾がふんだんに使用された王族の住む王宮の建物は、砂漠の中で
――――
ケーバブ達はルンダーンの屋敷へと招かれ、そのまましばらく滞在する事になったのだ。
ルンダーンの命の恩人という事もあり、ケーバブ達をもてなす
ルンダーンとケーバブの仲は更に深まり。二人で何やら楽しそうに話す姿を、バジルとファヒータが嬉しそうに眺めていた。
ルンダーンの妃ファヒータは、この国の貴族の娘だ。
母親の家系が北部の出身で、砂漠の民の中では、かなり色白で
ベールから覗く瞳は、透き通った
その可憐で美しい容姿をルンダーンが見初め、他の並み居る求婚者達を蹴落として、彼の妃にしたのだ。
彼はファヒータを
そんな彼が、何故かケーバブにだけは
そしてある夜、ファヒータにケーバブの印象を聴いた後。彼女に有る事を伝え、動揺する彼女を説得し始めたのだ……。
――――
ケーバブ達は、ルンダーンの屋敷の離れにある部屋を与えられた。
広々とした部屋には、華麗な装飾が施され、
この離れは夜になると誰も立ち入って来る事は無い。
ケーバブは、美しい衣装に身を包んだバジルの姿を愛でると、口づけをしながら彼女の衣装を解いた。
やや
今日はケーバブがいつもにも増して興奮している様子で、上気した顔でバジルに覆いかぶさり、彼女の上半身をきつく抱きしめた。
ケーバブはバジルの体を
ケーバブの愛に、気が高まって来たバジルから、吐息の様な
バジルはこの時不思議な感覚を味わっていた。愛しいケーバブの手や唇が増えた感覚に襲われたのだ。
自分を抱きしめているはずの手が下半身を弄り、口づけをしているはずの唇が下半身を
まるで、複数の男達に
バジルは快感に身を任せていたが、ケーバブが耳元で愛を
バジルの脚の間に、ルンダーンの嬉しそうな顔があり。彼女の下半身を
バジルは驚いたようにケーバブの顔を見たが、そこには異常に上気し興奮した顔があり。問いかける様なバジルの瞳を見つめながら、説得する様に何度も
ケーバブはバジルの手を握ったまま、ルンダーンがバジルを弄るのを、
ルンダーンがバジルに覆いかぶさると、ケーバブは手を離した。
ケーバブが求めている行為を理解したバジルは、ルンダーンを受け入れる。
ルンダーンが激しく腰を振り、堪らずバジルが嬌声を上げ始めると、ケーバブは興奮のあまり、触りもしていないモノから精を溢れさせてしまったのだ……。
――――
話はケーバブが『
意識の無い彼が、精管に施された「印」を精のほとばしりで消し去り、自力で目覚める事が出来たのは、この
彼は目覚める数日前から、耳は聞こえていて、周りの状況を感じる事が出来ていた。
自分を愛しんでくれるバジルが、自分の為に村の男達に弄ばれている事に興奮を覚え、自分を守るために
彼は、愛しい女が他の男に抱かれ嬌声を上げる事に、異常な興奮を覚える性癖の持ち主だった。
そして、真の友と言えるような間柄になったルンダーンが、自分と同じ性癖を抱えている事が分かり、二人で分かち合う事を決めたのだ。
――――
ルンダーンがバジルとの行為に
彼女はバジルとルンダーンの
ルンダーンは、自分達を見つめるファヒータに気が付くと、口元をほころばせながら頷き。彼女に言い含めた行為をするよう
ファヒータはケーバブに口づけをすると、直ぐにベールを脱ぎ去り。夫であるルンダーン以外の男に初めて美しい裸体を
ルンダーンはゆっくりと腰を振りながら、その姿を食い入る様に見つめている。
ケーバブは、同じ性癖を持つルンダーンが、
そして、彼の目の前で幾度も彼女を逝かせ、ファヒータに激しく求められながら精を放出した。
愛するファヒータの、あるまじき嬌態を見せつけられ。強烈な嫉妬と共に、気絶しそうな程の興奮を味わったルンダーンは、二人への仕返しとばかりに、バジルに出来る限り
この夜の性の宴は入れ替わり立ち代わり朝まで続いた。
四人の秘め事は、ケーバブ達が一旦この地を去るまで、毎夜の様に繰り返されたという。
だが、この四人の秘め事が、このサンドランド国の未来だけではなく、この後に勃発する戦役の
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