第30話 「セロリィ嬢の策略 I」
セロリィ嬢達が住む町の外れに、モンスターや獣が
入口は閉鎖され鍵がかかっているが、その鍵をセロリィ嬢とパクティ達が持っていた。
入口の上に倉庫を建て、パクティファミリアの倉庫として使用しているので、彼女達が倉庫に出入りしても、町民で不思議に思う者は居なかった。
そのダンジョンに入り、そう遠くない場所に広い洞窟がある。
そこに小部屋の様に仕切ってある
沢山のゴブリンがひしめいている牢、鎖に
目的は、セロリィ嬢の
そこに捕らえられているモンスター達の中に異色の者達がいる。
大きな
セロリィ嬢とパクティ達が、ニヤニヤしながら牢に繋がれているオークを眺めている。
「ほらほら、豚の王子様。口では偉そうな事を言っていても、下半身は今日もお姫様を裏切ってるわねぇ」
牢の中では、大量の
オーク族の王子は両手足を鎖で繋がれているが、体を動かす事はできる。
捕まって直ぐは「人族ごときが……」などと言って逆らっていたが、発情した奴隷達に
そして、隣の牢に婚約者の姫が居るにも
それから生殖行為を繰り返す度に、徐々に抵抗をしなくなり。セロリィ嬢達に従順な態度を示すようになって来たのだ。
セロリィ嬢がパクティに耳打ちすると、ピマンが牢の中に入り、まだ繋がっている最中の奴隷の女を引きはがした。
オークの王子はセロリィ嬢達に、起ち上がったままのモノを
「珍しく人語が話せる賢い王子様。あんたに話が有るのだけど」
「な、何だ……」
「あんたの一族には戦士が何人くらい居るの?」
「我が一族ならば二万は居る」
「全員あんたの指示に従うの?」
「もちろんだ。我はオーク族の王子である」
その言葉を聞いて、パクティが失笑した。
「その立派な王子様が、こんな所で何をやってるんだい? お笑い
「……」
このオークの王子と婚約者の姫は、南方の森の中でお楽しみ中だった所を、モンスター達を
何となく身なりの良い二人を捕まえようという事になり、ドリアの攻撃魔法で不意をついて気絶させた。
護衛のオーク達が慌てて挑んで来たが、簡単に打ち倒してしまい。二人を捕獲用の
簡単に捕らわれた事を思い出したのか、
「パクティ、私たちが豚よりも強くて
「いえいえ、全てお嬢様のお知恵のお陰でございます」
「ふふ。ありがとう。で、王子様にお願いが有るのだけど」
「何だ?」
「えっ? 王子様、その口調で大丈夫?」
「い、いえ、申し訳ありません。何でございましょう」
「ふふん。良いでしょう。その二万の戦士達を、全て私の配下にしなさい」
「えっ……。そ、それは無理でございます。皆が承知しません」
「へー、そうなの。あんたはご立派な王子のくせに、説得出来ないって事?」
「……」
「それじゃあ仕方が無いわね。ドリア、ゴウヤ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます