第26話 「危機的な状況」
ガイさんが受け止めた斧から火花が散りました。
直後に横やりから打ちこまれた
良いタイミングの打ち込みでしたが、
三対一の状況では
一方のボンさんは、自分と余り大きさが変わらない巨体のオーガ三体を相手に奮戦中です。
振り下ろされた
でも、殴る程度では致命傷にはならないようで、相手はしばらくすると頭を振りながら起き上がってきました。
それでも、三体の敵と上手に戦う為の時間を稼ぐには有効だった様です。
ボンさんは上手に三体と渡り合い、敵に攻撃の
ボンさんとガイさんは、敵のオーガ族が自分達の後ろに抜けて行かない様に上手に防御をしてくれています。
私達が他のモンスター達を倒し、自分達と共にオーガの集団と戦える様になるまでの時間を稼いでくれているのです。
ダンジョンの最深部からオーガの里へと戻る道は大変でした。
強力な封印が
出発時にガイさんとボンさんの気迫がさらに高まっていたのは、帰りはとんでもなく困難な戦いが続くという事を知っていたからでした。
大量のスケルトン戦士を引き連れたネクロマンサーや、多様な獣を従えながら現れるオーク戦士の集団。屈強なオーガの一群など、複数のモンスターが次々に襲い掛かって来ました。
シズさんはネクロマンサー達からの強力な魔法攻撃を防ぐのに手いっぱいになり。ベニさんが地形効果でモンスターの集団を足止めしますが、数が多すぎてトドメを刺す
そんな中、ハナちゃんが素早く動き回り、次々と敵を倒していきますが、敵の数が多過ぎて、私達が優位な状況になるには時間が掛かりそうです。
時々、敵の放った矢や魔法がシズさんやベニさんに当たりますが、防具のお蔭で大きなダメ―ジは有りません。
私はポコを
ハナちゃんが敵の数をかなり減らし、そろそろ反撃のタイミングかと思った時でした。洞窟内に
咆哮の主は巨大な赤いドラゴンでした。サラマンダーを従え、洞窟の奥から地響きをさせながら、こちらへと向かって来ています。
同時にボンさん達の前にも新手のオーガが現れ。シズさん達が抑えているネクロマンサーやオークも数が増えています。
全員手いっぱいで、ドラゴン達の相手をする余裕は誰にもありません。これは、かなり危機的な状況です。
屈強なモンスター達に囲まれ。私は皆が倒される事を想像してしまい震えました。
もし、そんな事になってしまったら、ダンジョンに連れて来た私のせいです。
身を
迫りくる脅威を前に、私はポコを抱きしめました。
「ポコ、私にもしもの事があったら、ポコだけはどうにかして逃げ延びてね……」
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