第13話 「セロリィ嬢の罠」
「これがお父様からの依頼。パクティファミリアで、三ヶ月以内に大金貨百枚相当の収益を上げて来いって」
セロリィ嬢がファミリアルームに集まったパクティ達に指示書を投げ渡した。
派手な散財が続き財政が傾いた町を建て直す為に、ギルド所属の全パーティに上納金を収める様に指示が出たのだ。
「ファミリアでって。私ら四人以外のパーティは大した実力も無いから、実質私らのパーティで稼げって事ですかね」
「そうでしょうね。面倒だけどギルトごと潰れたら、もう楽しめなくなるわよ。それに、パクティ達が頼りにされているからじゃないの?」
「ありがとうございます。でも、大金貨百枚分稼ごうと思ったら、その辺のダンジョンに潜っていても難しいかも知れませんよ」
「そんな事は分かっているわ。だから良い計画を持って来たのよ」
「良い計画?」
「ええ。ちょっと耳を貸して……」
セロリィ嬢の話を聞きながら、パクティは驚いたり笑みを浮かべたりしている。
二人が悪だくみをする時の表情だ。
「……隣国ですが。それで大丈夫ですかね?」
「大丈夫よ。最後はギルドマスターである町長の娘が出て行くのだから。疑われないでしょ」
「確かに……。では連中に伝えます」
----
国境付近の森の中で三人の若者が狩りをしている。
その中のひとりは近隣地域を治めるの領主の息子で、他の二人は彼の従者だ。
領主の息子とお付きの従者二人は、幼い時から共に過ごして来た気の知れた仲。
三人は競う様に森を走り抜けていた。
「嫌ー! 誰か助けて!」
突然、女性が助けを求める声が聞こえ、若者たちは足を止めて周囲を伺う。
すると、再び悲鳴が聞こえ、三人は顔を見合わせて
彼らは何度も聞こえる悲鳴を頼りに進み、小川の
領主の息子が従者に指示を出し、三人は一斉に弓を
直ぐにゴブリン達を射倒すと、三人はそれぞれ女性の元に行き無事を確かめ始めた。
「大丈夫か?」
「助けて下さり、ありがとうございます。小川で水浴びをしていたら、襲われてしまって……」
裸の女性達は足を広げたままで、領主の息子達の前に全てをさらけ出してる。
そこには、ゴブリン達の生殖行為の
「体を洗ってあげよう」
男達は力が入らない様子の女性を抱え小川に入る。
ゴブリン達の精で汚れていた箇所を丁寧に洗っていたが、いつしかその指に正義感では無い別の目的が込められ始めていた。
「お願いです。汚らわしいゴブリンどもの事を忘れさせて下さいませ」
女は男にしがみ付くと、男の下半身を撫で始めた。
目は虚ろで顔は上気している。明らかに発情した
男達は顔を見合わせると、お互いに距離を置いて茂みに女を連れ込んだ。
三人は言葉を交わさずとも、その手の意識を共有する事ができる間柄なのだ。
男は装備ごと服を脱ぎ去り、直ぐに女の上に体を重ね行為を始めた。
女は喜んで受け入れ、周りを
だが、その直後。三人の若い男達は、女性の上で腰を振る無防備な状態で不意を突かれ、次々と気絶させられてしまったのだった。
「私達の可愛い奴隷ちゃんに手を出しやがって、このスケベ野郎が!」
気絶している間に頭に、目隠しの袋を被せられた男達にパクティが笑いながら蹴りを入れている。
その傍らでピマンが治癒魔法を
彼女達の企んだ計画の第一段階が成功したのだ。
パクティ達四人は、頭に袋を被せられた裸の男達を馬に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます