11:風狼
「準備は良いかな?」
練兵場の中央にてゾルガがレイルに尋ねる、手には十字鍔の
「…今更ですが本当に良いのですか?」
「構わぬよ、それに君の目的は最強の剣士となる事なのだろう?ならば一人でも多くの剣術を知っておいても損はない筈だ」
それを言われてはレイルも断る事はできない、なによりもゾルガの言う通りレイルがわざわざ練兵場まで来たのは王国の兵士の技術等を知る為でもあった、それを将軍自ら手解きすると言うのだから遠慮する必要はないだろう。
「お二人共、準備は出来た様ですね」
審判役のエリファスがそう確認すると懐から一枚のコインを取り出す、コインが地面に落ちたら開始だと説明すると親指でコインを弾いた。
ピィンッと甲高い音を立てながらコインが宙を舞う、そして地面に落ちた瞬間…。
レイルの剣とゾルガの長剣がぶつかり、周囲に轟音と衝撃波を撒き散らしながら鍔迫り合う。
「…これでも身体強化には一家言あるつもりだったが、貴殿とこうして相対すると改めて己の未熟さを思い知らされる」
「これほど重い剣を振るいながらそう言われるとは、恐縮です」
しばしの拮抗の後、レイルは鍔迫り合いを解いて『
「“
その瞬間ゾルガは詠唱して風を纏うと一踏みでレイルとの距離を詰めると大上段から長剣を振り下ろす。
(…これは!?)
勘に従って剣を楯にして『
(…重い!)
もし避けようとしたり『
するとゾルガは風を纏って大きく跳躍すると長剣に風を纏わせて振るう、その切っ先から風の刃が放たれてレイルに迫る。
「竜剣術『
レイルが迎え撃つ様に黒い斬撃を放つと風の刃と空中で衝突して霧散する、その間にゾルガは着地して長剣を構える。
一瞬でも対応を間違えれば容赦なく引き裂かれる、速さと鋭さを併せ持った戦い方はまさしく…。
「
「久しい呼び名だ…その様子だと私は相手として不足ではない様だな」
「過分なくらいです…」
言葉少なに会話を終えて剣を構え直す、息を吐いて魔力を体の隅々まで浸透させて体を強化するとレイルの眼が金色に変化する。
無意識にレイルは口角が上がっていた…。
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