7:昂る雷火と鎮める氷華

※すいません、予約投稿の日付間違えてましたorz




ふわりと柔らかい感触が唇に触れる、今度は目を開けたままだったから朱に染まったセラの顔を間近に見る事が出来た。


「んっ…」


僅かな吐息と共に唇が離れていく、そう認識した瞬間レイルはセラの体を掴んで無理矢理引き寄せると再び唇を重ね合わせた。


「んぅっ!?」


驚きと戸惑いの声を上げるセラの唇を無理矢理塞ぐ、舌を捩じ込んでセラの舌をなぞる様に動かす。


思わぬ刺激に体を離そうとするセラの腰と頭に腕を回して逃げれない様にすると再び口の中をねぶり始めた。


「ん、んぅ…ふっ…」


その間もセラは体を震わせて腕に力を込めていたがやがてレイルに寄り掛かる様に力を抜くとレイルのされるがままになる。


息継ぎの為に離れる度に入り込んでくる空気とすぐに塞がれて無遠慮に口の中をまさぐる舌と息の熱さがもたらす刺激はセラの思考をとろかしていく。


「あ…」


セラの口からレイルの舌が引き抜かれる、唾液の橋が一瞬だけ掛かり落ちるのを見ながらあまりの刺激の強さに呆けてしまう。


「セラ…」


名前を呼びながらベッドの上へとセラを押し倒す、ベッドの上に広がる銀髪と荒い息を吐いて蕩けた眼をしたセラはレイルの獣の様な衝動を昂らせる。


力なく投げ出されたセラの手を掴んで握る、今にも食らいつきたくなる衝動を抑えて見下ろすレイルの眼は金色に輝いていた。


「これ以上は我慢できないぞ…」


僅かに残る理性の糸がその言葉を紡ぐ、今のレイルは他者が見たら悲鳴を上げそうになる程荒々しい気配を醸し出していた。


「…良い」


ぽつりと零れた囁きと共に指を絡める様に握り返される。


「好きにして良いけど…優しくして、んぅっ!?」


顔を逸らされながら告げられた言葉に理性の糸が音を立てて千切れる、セラの両手を抑えて貪る様に唇を重ね合わせて舌を絡める。


「んっ、はぁ…ふぁ」


再び絡み合う舌が音を立てて部屋に響く、舌を離してセラの首輪ごしに荒い息を吐きながら告げる。


「悪いがそんな事言われたら、優しく出来ない」


そう言ってセラに覆い被さるレイルの姿は獲物を貪る竜を想起させた…。





―――――


「ん…」


微睡みが抜け切らない状態でセラは目を覚ます、そして自分の体に巻きつく様にして温かいものが乗っている感触がする。


寝惚け眼に映ったのは自分の体と巻きついていた腕だった、それがセラを抱え込む様に腰に回されている。


驚いて顔を上げると目の前にレイルの寝顔が息が当たる距離で映り込む、思わず声を上げてしまいそうになるが起こしてはいけないと判断して即座に口を抑える。


(そうだ、私はレイルと…)


ぼんやりとしていた意識が覚醒すると眠る前の事を少しずつ思い出して再び顔が熱くなる、自分でも信じられない程レイルに迫ってそして交わった。


あまりにも激しく求められて深くは思い出せないが自分なのかと疑いたくなる位乱れてしまった事だけは覚えていた。


(…私があんな風になるだなんて)


記憶の中の自分を思い出すと恥ずかしくなるが同時に満たされた様な充足感があった、レイルと出会う前ならばこんな事になるなど想像すらしてなかっただろう。


ましてや自分の初めてを好きな人と出来るなど誰もが憧れる形で出来たなどと過去の自分に言っても絶対に信じないだろうなととりとめのない想像をしておかしくなる。


(起きた方が良いかな…)


そう思ったが傍にあるレイルの安らかな寝顔を見て思い留まる、なんとなく起こすのを忍びなく思ったセラはよりレイルにくっついてレイルの鼓動を聞きながら目を閉じる。


(もう少しだけ…)


これからバニス教団と戦いがある、とても過酷なものになるであろう事は容易に想像できる。


だから今だけはこの穏やかで幸せな時間に浸っていたい、そう結論を出したセラはゆっくりと眠りについた…。

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