第2話【tales of original】原書
まえがき
※山本智之が読んだ【tales of original】の抜粋
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【tales of original】
原書と聖霊1章
本を盗んだ悪魔がページを切り分け人間に与えたこと、人間は知恵をつけ神を頼らずとも生きていけるようになった代わりに他人の知識……つまりは他人が持つページを求めて奪い殺し合うようになったと記されていた。
神は初めに本を作った。
本を置くために美しい丸い盆型の台座が作られた。
神が本を読んでいるといつのまにかいた小さな者たちが神を見ていた。
神は大地の上にいたそれらが、台座に暮らすことを認め放置した。
神は本が読みづらいと思い光を作った。
光は強く台座の上にいたそれらは半数が消滅した。
それらは何をしたいのかウロウロしては、近くの個体と集まって数を増やした。
神は試しに本から知識を抜き出しそれらにそっくりな姿をした者たちを生み出した。
それを聖霊という。
聖霊は神から知識を与えられた。台座の上に住まうそれらと似ていたが聖霊は知識を持ち神と意思疎通を取ることも出来た。
聖霊は神に生み出された後、暫くそれらを神と同じようにみていたが、それらが聖霊の様子をみて真似ているのを知った。
聖霊は神が本を読む傍ら、それらに知識を与えた。
聖霊は不滅であったが、それらはあっという間に死に目を離した隙には違う個体になった。違う個体は以前教えた知識を忘れまた台座に住まうよくわからないものになった。
聖霊は考えたのち、本を作ることを考えた。
本を創り知識を書き、それらに読ませ知識を継承させる。
それはうまくいき、増えて死にゆくだけのそれらは少し聖霊に近づいた。
それらが沢山死に神が本の三分の一を読み終わる頃には、それらの死骸が積み重なって粉々になり白い台座は黒くなった。
黒い粉から白く長いものが生えてきた。
聖霊はそれを知らなかったがそれらは、白く長いものを育て様々な場所に置いた。
白く長いものは沢山の枝分かれをして空を覆い隠した。
それらは次第に賢くなった。
やがてそれらのうち一つが神の本を覗き込もうとした。
神は怒りそれらを殆ど潰した後、聖霊たちにそれらを永久に見張るようにいいつけた。
潰されたそれらと白く長いものが合わさり液体が凹んだ台座に生まれた。
それは海や湖といわれた。
神が本の三分の二を読み終わる頃、神はふと思いついたかのように聖霊を本の中へ戻し始めた。それらはもう聖霊がおらずとも神に逆らわず聖霊がおらずとも知識を継承していた。
聖霊はそれらと長く過ごし神に不満抱いていた。
それらもまた神が聖霊を奪うことを不満に覚えた。
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