tales of original
ぺよーて
序章 スマートフォン向けMMORPG 《tales of original》
第1話 MMORPG《tales of original》
MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)というジャンルのゲームがある。
主な年代層は20〜40代で所謂、彼らの親世代が知っているRPG(Role Playing Game)とは驚くほどの違いがある。
RPGの多くが家庭用ゲーム機として家で遊ばれ始めた頃に作られた。
ゲーム内時間はセーブやゲーム本体の電源を切った時に停止し、ゲームを起動し直した時に時間が勝手に経過していてストーリーも進んでいたなんてことはない。
逆に、MMORPGは殆どがオンライン上で他のプレイヤーとマップを共有している。
それは1人や4人と言ったマルチプレイ基準的な人数ではなく今や手元に収まるスマートフォンのような環境でからさえ、100人や200人という人間が同時に同じマップを共有し遊ぶことが可能だ。
2018年、株式会社YAMAMOTOから一つのゲームが発売された。
株式会社YAMAMOTOは2013年まで株式系の会社ではなく、家族経営の古物の輸入業者だった。
それまで一度もゲーム制作などには、出したことはなかったのだが創業者の息子、山本智之(やまもととしゆき)が興味深い洋書を見つけたことに始まった。
山本智之(やまもととしゆき)は輸入業者として父の仕事を手伝う傍ら、小説家になりたいという自らの夢を諦めきれず執筆活動を続けていた。
その中で見つけた擦り切れたぼろぼろの洋書【tales of original】に触発されてストーリーを書きクラウドファンディングで集めた資金を使って人を雇い製作したのが
MMORPG《tales of original》-原書を巡る賢者たち-
である。
元になった【tales of original】という洋書には創世記に作られた知識を集めた本についての話が32ページに渡って綴られていた。
聖書のような仰々しく壮大な言い回しを使い書かれた伝説か神話かはたまた物語か、山本にはわからなかったが【tales of original】という物語に魅力された。
原書には、本を盗んだ聖霊がページを切り分け人間に与えたこと、人間は知恵をつけ神を頼らずとも生きていけるようになった代わりに他人の知識……つまりは他人が持つページを求めて奪い殺し合うようになったと記されていた。
山本は10年の歳月をかけ【tales of original】で記されていた悪魔や、本の行方、人間に与えられた知識について、人の争いなどを独自の解釈と他の神話や伝説と合わせることで新たな物語を作り出した。
山本が2003年にタイ王国の闇市でこの本を見つけてから長い時間が経っていた。
2003年に流行っていたジャンルも2013年には廃れ、せっかく作ったストーリーも発表する場がなかった。
試しにいくつかのWEB小説投稿サイトで公開してみても、幾らかのお気に入り登録と"無双展開まだですか"というコメントばかり。
命を削って書いた作品を埋もれさせたくはないという思いからゲーム作りに乗り出した山本は、ついに2017年MMORPG《tales of original》を完成させ、2018年にリリースした。
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