第8話 肩身が狭いですー
という訳で仕方なく(?)ここからはほぼ5人が固まって歩いている。
ただなあ、実は僕はこの中では同率最下位なのだ・・・えっ?何の話?中学時代の成績?あー、そうじゃあなくて・・・僕は女である
アーリーは細身だけど身長は既に175センチを超えてるし、
中学2年の時の身長で言えば僕は最下位だ。青葉さんの身長の伸びが止まったから並んだ、というより冬の時点で僅か0.2センチ、上回ったに過ぎない。センチ単位で四捨五入したから同じになっただけだ。僕だってどれだけ伸びしろが残っているのか分からないから、雅姉ちゃんと手毬姉ちゃんを上回れないまま身長の伸びが止まるのは覚悟(?)してます、はい。
だけど、高校生5人が固まって歩くと迷惑この上ない。常識で考えたら頑張って、いや、頑張らなくても2列だ。当たり前だけど雅姉ちゃんは僕を手放さないし、青葉さんは手毬姉ちゃんの横を離れない、というより手毬姉ちゃんの横にアーリーを並ばせたなくない!と言わんばかりの勢いだから、仕方なくアーリーは僕の前をトボトボと歩くしかなかった。
そんなアーリーは後ろを振り向きながら
「・・・雅先輩は今日の戦争に参加しないんですかあ?」
「ん?ウチは帰宅部よー」
「あれっ?そうなんですか?」
「それに生徒会長は風紀委員長ではありません。今朝は
「あー、あのヤマアラシ先輩ねえ。風紀委員長になってもヤマアラシヘアーしてるんですかあ?」
「そうよー。去年の
「俺も兄貴からその時のビデオを見せてもらったけど、あれは最高でしたね」
「あの超硬派な嵐山君がまさか超おフザケCMをやるとはねえ。ウチもお腹が引きちぎれるかと思うくらい笑ったわよー」
「俺の母さんや父さんも爆笑してたからねえ」
「嵐山君だから出来たのよー。特撮なしで壁に水平に張り付くなんて、よほどの筋肉自慢でないと無理だから、逆の見方をすれば凄まじいまでの筋力よね」
「ですよね。それは俺でも分かりますよ」
「さすがに今日は、風紀委員長自らがボディービル同好会の勧誘をやれないから監視役よ」
「まさかとは思うけど、ヤマアラシ先輩、午後の説明会で・・・」
「ぴんぽーん!あのボディービル同好会のメンバー全員が、自慢の筋肉美を披露する気満々よー」
「俺は雅先輩がビキニで参加するなら喜んで行きますけどー」
「お生憎様ー、ウチは
「はーい、そう言うと思ってましたー」
アーリーは片手を頭の後ろに当てて笑ってるけど、たしかに雅姉ちゃんがビキニで合同説明会の会場に現れたら1年生だけでなく2年生と3年生の男子生徒が殺到するだろうね。それにしてもヤマアラシ先輩、雅姉ちゃんの話だと
そんな僕たちは
ここからはJR組も合流するけど、丁度浜砂行きの上り電車の到着と重なったから、結構な数の
でも・・・当たり前だけど、みんな雅姉ちゃんを見ている!それと同時に僕を見る視線が痛い!!ホント、勘弁して欲しいですー。
1年生から見たら昨日の入学式で在校生代表挨拶をした美少女生徒会長が、2年生と3年生から見たら
駅の北口から県道へ出て東海道新幹線の高架下を通れば、もう
そんな僕は完全に縮こまってるしかないけど、雅姉ちゃんは学校へ近づくにつれて増々上機嫌になっているのが手に取るように分かるから、僕は逆に増々小さくなっていくしかなった。
それは正門を入ってからも同じで、1年生の奪い合い(?)をしていた2年生、3年生も、戦争の手を一時休めて、僕と雅姉ちゃんを見ていたのがアリアリと分かったほどだ・・・
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