お姉ちゃんとお姉ちゃん
第3話 いいじゃん
“トントン”
(シーン・・・)
“トントン”
(シーン・・・)
“ガチャリ”
「おーい、
「・・・・・ (
「早く起きないとお姉ちゃんは怒るわよー」
「・・・・・ (陽光君、まだまだ熟睡中です)」
”ムニュ”
「いーーたたたたたたたたたたたー!」
「おっはよう!!」
僕は夢世界から無理矢理現実に引き戻された!しかも左の頬を
僕の左頬を抓った人物は右手を僕の頬から離したけど、眼は完全に笑ってます!
「陽ちゃん、早く起きなさいよー」
「まだ目覚ましが鳴ってないだろー。勘弁してくれー」
「ノンノン!電池が勿体ない!」
「
「冗談に決まってます!陽ちゃんはお姉ちゃんに起こしてもらいたくて、目覚まし時計を6時半にセットしているとしか思えないからです!」
「現役の高校3年生の女子生徒が真顔で言うセリフですかあ?」
「お姉ちゃんの辞書には『ふざけている』などという物は存在しません!」
「じゃあ、その辞書を僕に見せて下さい」
「陽ちゃんさあ、冗談を本気にするのはマジでやめて下さい」
「なら、いい加減に僕から離れて下さい。僕は起きられませんから」
そう、雅姉ちゃんは僕を押さえつけるようにしてベッドの上に乗ってるから、冗談抜きに上体を起こす事も出来ませーん!
「えーっ!勿体ない。折角だからお姉ちゃんと二度寝しようよー。目覚ましが鳴るまででいいからあ」
「勘弁して下さい!
「大丈夫大丈夫!
ちょ、ちょっと
「・・・ちょっとー、誰が目覚まし時計で起きないのか、本気の本気で教えて欲しいんだけどー」
いきなり聞き覚えがある声がしたから、僕も雅姉ちゃんも声がした方、すなわち僕の部屋の入口付近を見たけど、そこにはパジャマ姿の手毬姉ちゃんが両手を腰に当てながら僕と雅姉ちゃんを交互に見ている!しかも半分怒って、半分呆れた目をしてるように思えるのは気のせいではないですよねえ・・・
そんな手毬姉ちゃんに向かって雅姉ちゃんは右手を振ってニコニコしているって、何を考えてるのか全然分かりませーん!
「あれーっ、毬ちゃん、おっはよー」
「あのさあ、
「さあ、誰でしたかねえ。ウチはー、全然記憶に御座いませーん」
「私は覚えてる!」
「毬ちゃんの記憶違いだよー」
「雅お姉ちゃんさあ、こうやって惚けるのは何回目?」
「まだ0回だよー」
「こういう時にふざけないで下さい!それでも長女ですか!!」
「ノンノン!ウチはいつだって真面目だよお」
「はーー、マジで録音しておけば良かったと思ってるわよ」
「はいはーい、証拠が無いから毬ちゃんの言ってる事は無効でーす」
「ホント、家と学校では別人なのは中学の時から全然変わってないのかあ?勘弁して欲しいわよー」
「そんな事ないわよー。だってー、今はFだもーん」
「誰もブラの事を聞いてない!」
「毬ちゃんはAで据え置き4年目だもんねー」
「ウルサイ!というより、陽君にバレちゃったじゃあないかよ!」
「寄せて上げてるのが?」
「隠してる事を堂々と言うなあ!」
「いいじゃん、減るもんじゃあないし。どうせ普段はスポブラなんだからペッタンコ!」
「デカチチ女に言われたくない!」
「『大は小を兼ねる』よー。それよりさあ、毬ちゃんは陽ちゃんをハグしないのお?」
「ちょ、ちょっと!本気で言ってる!?」
「あらまあ、照れなくてもいいんだよお」
「雅お姉ちゃんの常識は非常識です!」
「そんな事はないよお、お姉ちゃんというのは弟君をハグしてやらないとダメですよお。ウチの常識はニッポンの常識!現在進行形で国会で審議中よー」
「はあああーーー・・・」
とうとう手毬姉ちゃんはサジを投げた格好だけど、雅姉ちゃんはどこまで本気でどこまでが冗談なのか、マジで全然分かりませーん!
というか、手毬姉ちゃん、寄せて上げてるってホントかよ!?
でも・・これでも今日は2人とも大人しい方ですからあ。
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