96皿目 卵焼き

 甘いかしょっぱいか、それが問題だ。


 自分は具入りの時はしょっぱく、プレーンの時は甘い卵焼きを作ることが多い。

 具は結構色々入れる。ほぐしたカニカマのときもあるし、桜えびも香ばしくてよい。いりごまもプチプチ感がよくて有りだ。でも一番好きなのは、実家で母がたまに作ってくれた、刻みネギたっぷりのやつ。ネギと、ちょっとの塩を入れて作って、さらにお醤油をつけて食べるのだ。これがどうしようもなくおいしい。


 プレーンでしょっぱいときは出汁巻き。このところはもっぱら、以前このエッセイでも紹介した蟹出汁を使っている。かにと卵の組み合わせは間違いない。卵焼きからは外れるが、カニカマと蟹出汁があればすごく蟹感の強いかに玉もどきが作れておすすめだ。


 最後にプレーンで甘い卵焼きだが、自分はこれが実家の味。卵に多めの砂糖と塩少々を入れ、あれば少量の牛乳、なければ水を加えてよく溶きほぐす。卵焼き器か小さなフライパンを熱してマーガリンを溶かし、全体に広げる。油は絶対にマーガリンでなくてはならない。充分に温まったら卵液を注ぎ、あとは通常のやり方で卵焼きを作る。

 マーガリンの風味と甘い味わいがまるでケーキのようで、というか卵2個くらいで大きめのを作るともはや完全にケーキ。ケーキと違うのはお醤油をかけて甘じょっぱくしてもおいしいところか。

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